母に代わり、大切な家庭菜園を守ってきた「年金月23万円」一人暮らしの85歳父…年収1,300万円、60歳・老後安泰の長男が決断した「身を切る親孝行」【FPの助言】
シニア転職の実態
弟の直樹さんは、3年前に転職をしています。勤めていた会社の経営状況が悪化してリストラの対象になったのです。50代になってからのやむを得ない事情による転職でした。再就職までには1年以上かかり、大変苦しい思いをした経験があります。その経験からも、60歳になっている修さんに、現在と同程度の条件での再就職が簡単ではないということを説得しました。もちろん、修さんの妻や子ども達も反対しました。 相続する予定であるといっても、実家は築50年の戸建てです。リフォームの費用がかかることが予想されます。長女の学費はあと2年必要です。家族のこれからのことも真剣に検討する必要があるでしょう。 Indeed Japan株式会社は、60歳以上のシニア世代の求職活動実態調査を行っています。調査によると、60歳以降の求職者の約半数が経済的な理由で仕事を探していますが、約3割もの高い割合で採用に至らないケースがあるようです。採用に至った方のうち、8割以上の方が勤務条件を緩和して仕事に就いています。増加している60歳以降の求職者と、企業の高年齢層人材の採用には、大きなギャップがあるという結果になっています。 弟の直樹さんの説得にはうなずける実態があるようです。
親の介護への備え
修さんは、妻や直樹さん夫婦と協力しながらも、家族の中心的な立場として、病院やケアマネージャー、介護施設と連絡を取り、両親の環境と整えることを行っていました。そういったことも立派な介護です。親の希望を大切に思い、近くにいて介護をするだけが介護ということではないと思います。 親の介護は長期間になるかもしれません。親孝行ということにとらわれ過ぎず、自分や家族の将来のためにも、ある程度割り切った考え方が必要でしょう。 参考 ※PRTIMES Indeed Japan株式会社 シニア世代(60歳以上対象)の求職活動実態調査 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000028842.html 藤原 洋子 FP dream 代表FP