ふるさと納税自販機移転 小矢部市、昨年アウトレットに設置
●返礼品「地域と関連」厳格化、全国店の食事券認められず 小矢部市は、昨年9月に三井アウトレットパーク北陸小矢部に設置した「ふるさと納税自動販売機」の移転を決めた。自販機で「納税」すれば、施設内の飲食店で使える食事券が返礼品として受け取れるアイデア施策だったが、ふるさと納税制度のルール変更を受け、市は返礼品と認められなくなると判断した。移転先は未定で、市の担当者は「少しでも納税額を増やすため工夫を重ねているのに、毎年のように国のルールが変わる」と、対応に頭を悩ませている。 6日の市議会全員協議会で市側が説明した。ふるさと納税自販機は北陸唯一のアウトレットの集客力を税収増に生かそうと県内で初めて設置された。 ●行き先は未定 市によると、総務省の発表した10月からのルール変更により、飲食物の提供など役務(サービス)提供を返礼品とする場合、地域との関連性をより重視するとの指針が示された。アウトレットに入っている全国展開の店舗で出される飲食物は地域と関わりが薄いため、市は返礼品として認められないと判断。設置から約1年で別の場所への移設を検討する。市内のゴルフ場などを移転候補地としている。 市によると、アウトレットには全国展開する店が多く入り、条件を満たす形で飲食を提供可能な店舗はほとんどないとみられる。自販機の特長は寄付から返礼品受け取りまでの流れがその場で完結できる点であり、今後、条件に合った移転先を探る。 ★ふるさと納税の制度変更 総務省が10月から、返礼品にできる地場産品の線引きである「地場産品基準」を厳格化する。地域内の事業者が企画立案し、実際の製造は他地域で行う製品の場合、価格に占める原材料費などの半分以上が地域内で生じているとの証明が必要になる。地域に根差した物を返礼品に設定するための指針も盛り込まれた。