中国人民元、昨年11月以来の安値-当局が元安容認との観測
(ブルームバーグ): 中国人民元は29日、ドルに対し下落し、昨年11月以来の元安水準となった。ドルが底堅く推移する中、中国当局が人民元の値下がりを容認しているとの観測が広がった。
中国本土市場で人民元は1ドル=7.2485元まで下落。中国人民銀行(中央銀行)が毎営業日設定する人民元の中心レートを4カ月ぶりの水準に徐々に引き下げ、元安トレンドが進んでいる。
みずほ銀行のアジア為替担当チーフストラテジスト、張建泰氏は「人民銀がさらなる元安をある程度容認する可能性がある」と指摘し、「ドル金利が長期的に高止まりする環境を背景に、人民銀は特定の水準を守ることよりも、元安ペースを鈍らせることに重点を置いている」と述べた。
米連邦準備制度が高めの金利水準をより長期に維持するとの見方から、ドルは反発。人民元は他のアジア通貨と共にストレスにさらされている。中国政府の住宅市場に対する不十分な政策支援も投資家心理に重くのしかかっている。
原題:Yuan Weakens to Lowest Since November as China Allows Declines (抜粋)
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Iris Ouyang