シリア暫定政権と武装組織の統合、クルド人勢力は不参加 分断の恐れ
アサド政権が崩壊したシリアで、国内の複数の武装組織の指導者らが、各組織を解散し、暫定政権の国防省のもとに統合することで合意した。シリア国営通信が24日、伝えた。ただ、AFP通信などは同日、クルド人主体の「シリア民主軍」(SDF)は合意に参加していない、と報じた。シリア北東部を支配するSDFは暫定政権の統制下に置かれず、国内で分断が続く恐れがある。 【写真】シリアの首都ダマスカスで2024年12月20日、イスラム教の金曜礼拝に向かう人々と警備にあたる反体制派の戦闘員=ロイター 暫定政権を主導する「シャーム解放機構」(HTS)のジャウラニ指導者は22日、「国家の管理外で国内に武器が存在することを認めない」と発言。各武装勢力が解散して新たな軍に入る構想を打ち出し、SDFも統制下に置く考えを示していた。 米国が支援するSDFは、暫定政権と親和的なトルコが自国で分離独立を目指す非合法武装組織と一体のテロ組織と認定している。AP通信によると、アサド政権崩壊後、シリア北部ではトルコが支援する武装組織との間で激しい衝突が起きている。 ロイター通信によると、トルコのエルドアン大統領は25日、シリアのクルド人武装組織について、攻撃を続ければ「シリアの地に葬られることになる」と述べた。(今泉奏、カイロ=其山史晃)
朝日新聞社