《動作解析専門家が徹底解説!》大谷翔平「2024年型シン打撃フォーム」の進化と深化
ドジャースの大谷翔平(29)は、今季も打撃絶好調だ。 3月11日に行われたダイヤモンドバックスとのオープン戦では、第4打席でタイムリー二塁打を放つなど3打数1安打1打点の活躍。同日現在、オープン戦の打率は5割を大きく超えている。 【連続写真!】専門家が徹底解説…!大谷翔平「2024年型シン打撃フォーム」 昨季と今季の打撃フォームを比べると(下の一連の写真)、マイナーチェンジをしながら大きな「進化と深化」を遂(と)げていることがわかる。動作解析の専門家で、筑波大学准教授の川村卓氏が徹底解説する(以下、コメントは川村氏)。 「昨季は極端に言うと、上から振り下ろす『タテ』のバッティングでした。低めの球を掬(すく)い上げる、ホームラン狙いのフォームです。一方で高めの球を苦手にするなど粗(あら)さもありました。長打力のある打者が少ないエンゼルスに在籍していた、チーム事情も影響していたのでしょう。今季は、ややバットが水平に動く『ヨコ』の動きになっています。強打者揃いのドジャースで、確実にヒットを打ちランナーを返そうという意識がうかがえる。大谷は、弱点が少なくチャンスに滅法強いクラッチヒッターに成長しそうです」 今季の写真から具体的にみていこう。 「高い所からバットを振り下ろしていた昨季に比べ、グリップが少し低い位置にあります。両足の幅も広くなっている。ミート力の高い、水平なスイングに適した始動でしょう」 次のタイミングには強い打球を生む秘密がある。 「下半身の強さがあるからでしょう。昨季、今季ともに腰をコマのように回転させボールに強い力を加えている。頭の位置がほとんど変わらず身体の軸がブレないため、フォームも安定しています」 インパクトの瞬間には、二刀流に挑戦し続ける大谷の独自性がうかがえるという。 「両肩と両ヒジ、グリップで『五角形』ができています。普通は腕が伸びきってしまうのですが、大谷は始動から『五角形』を崩さずボールへ効率的にインパクトしている。肩甲骨と胸郭が、よっぽどしっかりしていないとできない動きです。普段から投手として、肩や胸を鍛えているためでしょう。他の打者にはマネできないスイングですよ」 スイング後半でも、大きな飛躍がうかがえる。 「インパクトしたあと、右肩の開きを抑えバットをスムーズに振り、体重がしっかり軸足に残っているのがわかります。フォロースルーは、より大きくなっている。バットをダイナミックに振り下ろさなくても、打球を遠くに飛ばせる要因です」 2024年型「シン打撃フォーム」でシーズンに臨む大谷。今季も異次元の成績を残してくれそうだ。 「確実性がアップした好機に強い新打撃で、打率と打点は大幅にアップするでしょう。打率.350、打点140、本塁打も昨年並みには打てるはずです。三冠王を獲る可能性は十分あります」 最近10年で9度の地区優勝を遂げたドジャースに加入し打者に専念する今季も、大谷の成長は止まらない。 『FRIDAY』2024年3月29日号より
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