3分でわかる「飛行機はなぜ飛ぶのか」「ペットボトルの底はなぜへこんでいるのか」
意外と知らない「かたちの常識」 物のかたちに込められた秘密を学ぶ
物のかたちには、作り手の想いや願いが込められている。たとえば、ペットボトルのかたち。そこには、お客様の安全性を考えての構造の秘密がある。たとえば、飛行機の翼や内装のかたち。そこにも、お客様に安全に空の旅を楽しんでもらうための秘密が隠されている。 大人も子供もよくわかる!飛行機が飛べる仕組み&ペットボトルのへこみの秘密【画像】 そうしたことに思いを馳せることで、次世代を担う子供たちに世の中について教えることができるし、自らのビジネスや人生にもよい影響が出るのではないだろうか? 現在発売中の児童書『物のかたち図鑑』(形の科学会:監修)には、身近な物のかたちの理由がわかりやすく書かれている。その中には大人も意外にわかっていない「へえー!」と思うことも数多い。 子どもに尋ねられて答えにつまるようなかたちの理由を、今ここで少しでも仕入れてみてはどうだろうか? ◆飛行機がなぜ飛ぶかも知らず、飛行機に乗っていないだろうか 出張や旅行で頻繁に利用する飛行機だが、そもそも飛行機はなぜ飛べるのかと問われるとすこし困る部分があるのではないだろうか。 飛行機が飛べるのはエンジンがあるからだが、それだけでは不十分だ。飛行機の翼のかたちにこそ、空高く飛び上がる秘密があるのだ。 結論からいうと、飛行機の翼の上面と下面で空気圧の差が発生するため、高い空気圧の下面から低い上面に向かって力が働き、この上向きの力によって翼が持ち上げられるので飛行機は空を飛ぶことができる。 この翼に働く力を「揚力」という。何百トンという重量の飛行機を持ち上げる空気の圧力は、とんでもなく大きいとわかるだろう。 ◆翼の上と下で圧力差ができる理由 飛行中、目には見えないが翼の上面と下面で空気が勢いよく流れている。この空気の流れは上面で速くなり、下面では遅くなることが風洞実験でわかっている。 空気の流れるスピードが速い翼の上の空気は薄くなり、遅い翼の下の空気は濃い状態となる。 この結果、翼の上面の空気圧は下面より低くなり、この圧力の差によって下から上へ向かい揚力が発生することとなる。 飛行機が空へ飛び立つときは滑走路で猛スピードを出す。このとき、翼も猛烈な勢いで風を切って進んでいる。 そして、飛行機は機首を持ち上げ空に向かって飛び立つ。 翼に揚力を発生させるにはスピードが必要だが、角度をつけることでも揚力が増す。 飛行機が機首を斜め上へ向けると水平に付いている翼も斜め上を向くことになる。凧上げと同じように、翼に角度をつけることで、翼の上面と下面の気圧差が大きくなり揚力が強くなる。この角度を迎角(むかえかく)という。