「うれしくて涙出た」 茨城県内の支援者喜び 袴田さん無罪へ
袴田巌さんの再審無罪判決に対する検察の控訴断念の発表を受け、茨城県内支援者からは8日、「うれしくて涙が出た」など喜びの声が上がった。 茨城県で57年前に起きた「布川事件」で再審無罪が確定し、昨年亡くなった桜井昌司さんの妻恵子さん(72)は「元に戻らないものが多すぎる。袴田さんは意思疎通が難しい状態だが、真の自由はここから始まる。ひで子さんと2人で穏やかな時間を過ごして」と願った。 恵子さんは「冤罪で人生も時間も全て奪われた。裁判所が無罪判決を出してくれることで、初めて解消される苦しみがある」と指摘。この日は桜井さんの仏壇に新しい花を供え、袴田さんの再審無罪が確実になったと伝えたという。 冤罪が繰り返されることに対しては「人を裁くことに間違いがないということはない。間違いがあったかもしれない時に、速やかに裁判をやり直す仕組みが必要」と訴えた。 日本国民救援会県本部(同県水戸市)は、検察に控訴しないよう求める署名を県内37団体から集めた。9月26日に再審無罪判決を出した静岡地裁にも訪れたという会員男性(67)は、検察の控訴断念について「言葉で言い表せないほどうれしい」と声を弾ませた。
茨城新聞社