フードエッセイスト平野紗季子「私はショートケーキを背中から食べたい」その理由に山崎怜奈も納得
山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。今回の放送は、ゲストにフードエッセイストの平野紗季子(ひらの・さきこ)さんを迎え、最新の著書「ショートケーキは背中から」(新潮社)について伺いました。
◆ショートケーキは背中から食べるとおいしい!?
フードエッセイストとして活躍し、これまで多くの著書を出されてきた平野さんは、小学生の頃から食べたものを記録する“食日記”をつけているそう。「私は子どもの頃から食べ物が好きすぎて……でも、食べ物って食べたら消えちゃうじゃないですか。それが悲しくて“どうやったら(記憶に)残せるだろう”と思って、書き留めていました」と経緯を明かします。 また平野さんは、カクテルは“サッと包んでもらった花束みたい”、ビリヤニは“風”など食に関する表現が独特ですが、「(食べ物を)表現したいというよりも“残したい”という気持ちが先にあって、その食べ物の特徴を言葉にして、ラベルを貼って記憶の箱にしまう、みたいな感覚でいたので、結果的に言葉がちょっと独特になったのかもしれません」と分析します。 そして、8月29日(木)にフードエッセイ集「ショートケーキは背中から」(新潮社)を発売。こちらも独特なタイトルですが、「私はショートケーキを背中(外側)から食べたいんですよね。普通、三角形の食べ物って先端から食べがちですけど、ショートケーキの場合、最後に生クリームがたっぷりある外側(背中)を無理やり食べている感覚があって、それがなんだか申し訳なくて。でも、あるとき背中側から食べてみたらめっちゃおいしくて! 一番お腹が空いているタイミングで、クリームがある場所をかぶりつくことができるのが、すごく幸せだったんです」と話すと、れなちも「お腹いっぱいで最後の生クリームは重いですよね~」と納得します。
◆旅行先は“ファインダイニング”に注目
続いて“ひとりご飯”をよくするという平野さんに、“ひとりご飯の極意”を伺うと、「ひとりご飯が苦手な方で“(料理が届くまで)どこを見ていいかわからない”という方がたまにいますが、私はカウンターに座って、店主の手元を見ていればいいと思っています。そして、頭のなかでその手の動きについて実況するんですよ。そうすると飽きがこないですし、(料理への)解像度がめっちゃ上がりますよ!」と解説。 一方、旅行先でのご飯については、ちょっと高級なレストランに行くのもお好きだとか。「いわゆるファインダイ二ング(高級レストラン)は、世界から訪れるゲストに向けて、自分の土地の食文化をキュレーションしたい、翻訳して伝えたい意識があるんですよね。だからある種“その土地の集中講座”みたいな感じで、いきなり解像度が上がるんです。なので、それを経た後にストリートに出ると一気にレベルが上がるというか、ストリートの小さな食べ物たちの輝きも一気に増します」と話していました。 (TOKYO FM「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」放送より)