正月特訓ではハチマキを巻いて熱い授業も! 早稲田アカデミーの2024年中学入試報告会をレポート
中学入試でトップクラスの合格実績を持つ早稲田アカデミーはどんな塾なのか。 西新宿駅周辺が東京マラソンで賑わう2024年3月3日、新宿住友ビルの地下にある新宿住友ホールでは「早稲田アカデミー 2024入試報告会」が行われ、2024年の中学入試概況と、早稲田アカデミーの指導方針を説明した。1,200席が用意された会場は保護者や生徒で埋まり、熱心に報告に耳を傾けていた。 解答欄からはみ出ると0点という中学も!実際の答案を見る
競争激化する首都圏の中学入試概況と、早稲アカの対応
第一部は中学入試の概況報告だ。まず、早稲田アカデミー作成の動画が紹介され、夏の合宿や集中特訓、そして正月特訓の様子がスクリーンに映し出される。講師も生徒もハチマキを巻いての熱い授業が繰り広げられる。 動画が終わると、竹中孝二教務本部長が登壇し、2024年度の中学入試概況が語られる。 引き続き受験者数が募集定員を上回る 2019年度までは募集定員が受験者数より多かったが、2020年度以降は受験生数が募集定員を上回っている。2024年度の募集定員は4万1,021人で、受験者数は4万2,943人。2,000人近く受験者数のほうが多くなっている。少子化の中、東京都の小学校在籍者数は今年卒業する6年生に対して全学年で子どもの数が増えており、しばらくは受験者数が大幅に減ることはないと予想される。 早稲田アカデミーの生徒たちの受験動向を見ていこう。 コロナ禍においては遠方の受験を敬遠してか、受験生1人あたりの出願校数や受験校数は少なくなっていたが、2023年5月の5類感染症移行の影響もあり、2024年度は近年の中でも出願校数や受験校数が非常に多くなった。地域でいうと、埼玉に住む生徒たちの出願校数や受験校数が増え、また他の地域からの埼玉県内の学校への出願数も増えている。栄東、大宮開成、埼玉栄、淑徳与野といった学校で受験者数が増えたこともあるが、開智所沢の開校も大きい。 日にち別に見ると、これまで午後入試は2月1日や2月2日が中心であったが、今年は2月3日も受験者が多かった。 午前中の受験校に面接があると、終わる時間によっては午後入試が受けられないケースも出てくる。コロナ禍で取りやめになっていた面接がここに来て復活しているので、出願しても受けられないケースが増えてきたので注意が必要だ。 塾側が受験校を押しつけることはない そんな激戦の中学入試だが、学校選びは偏差値や進学実績、設備だけではなく、学校の建学の精神や教育の中身を見ていただきたいと竹中本部長。第一志望は子ども本人が「目指したい学校」、併願校は子どもが「この学校は好きだ」と思える要素があるところを選んでほしいとのこと。そのため、5年生までに多くの学校を見学に行って、目星をつけてほしい。 ある女子生徒は「スカートをはきたくない。制服はスカートじゃなくてもいい学校がいい」と希望を言い、スラックスが選択できる学校を探して、いくつか候補を見つけたという。そういった身の回りや日常に関することでもいいから、子ども本人の希望に耳を傾け、6年間、心地よく笑顔で通える学校を選んでいくことが大切だろう。 早稲田アカデミーは家庭が決めた志望校を中心に、家庭の希望を聞きながら併願校についてアドバイスし、子どもや保護者の希望が叶う受験の手助けをしていくとのこと。 志望校合格のためには、生徒の頑張りと家族の支えが大切だ。しかし、生徒に前向きに頑張ってもらい、効率的かつ効果的に学習を進めていくためにも家庭内で悩みを抱え込まず、生徒と保護者、生徒と塾だけでなく、保護者と講師とが連携して、生徒、保護者、塾の三位一体で後悔のない受験にすることが大切である。 その三位一体の受験をよりスムーズにすべく、早稲田アカデミーは教務システムの改善を推し進め、メインテキストは四谷大塚の『予習シリーズ』だがオリジナルテキストも作成し、改定を重ねている。 コロナ禍にあって早稲田アカデミーはオンライン授業への対応が早く、そのクオリティの高さが評判となったが、現在も「早稲アカDUAL」というシステムでオンラインとリアル授業の選択ができる。体調が悪かったり急用ができたりして塾に行けないときは、自宅でオンライン授業が受講可能だ。 大手塾でありながら、常に新しい試みを模索しているようだ。