聴取率トップ返り咲きを狙うSTVラジオ、春の大改編を実施
【北海道・札幌】1985(昭和60)年から2012(平成24)年までの27年間に渡って、北海道のラジオ局の聴取率トップを誇っていたのがSTVラジオ(札幌市中央区)です。ここ数年は“絶対王者”を名乗れない状態が続いていますが、ほかの民放3局とは違い、今年春に自社制作番組内において改編率80%という大改編を断行しました。
かつて27年間の“絶対王者”時代
STVラジオは、もともと札幌テレビ放送内の「ラジオ局」として組織され、2005(平成17)年に分社化して独立しました。日本の放送局は、ラジオ放送からスタートしてのちにテレビ放送をスタートするのが普通でしたが、テレビ放送が先行し後にラジオ放送をスタートした、日本で唯一のテレビ・ラジオ兼営局が札幌テレビ放送でした。 そのSTVラジオは、27年間にもわたる“絶対王者”時代が4年前にストップ。ここ数年間、聴取率トップに返り咲くこともありましたが、盤石とはいえない現状です。その状態を打破すべく、今年の春改編では北海道のラジオにおいては「常識外れ」と思わるような数々の改編を打ち出しました。 2015年6月に、27年ぶりのラジオ復帰と同時に同社社長に就任した大西賢英さんは「24時間ラジオのことばかり考えていますよ。こんなに頭を使って体を動かしているのは新入社員時代以来かも……。今は、誰よりもSTVラジオのことを考えている自信があります」と話します。 「ラジオは非常に厳しい時代です。社長になって9か月。『大変』の一言です。STVラジオの売り上げは全盛期に比べ半分以下(2015年3月期で15億円強)ですが、これは全国のラジオ局の売り上げも同じ状況です。この中で、企業の広告費だけではなく販売促進費、『物を動かす業態作り』を進めている最中です」(大西さん) ネット広告の台頭により、4大マスメディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の売り上げは軒並みダウン。その中でもラジオは全体の聴取率も下落傾向にあるなど、クロスメディアなどの方法で生き残りを図っています。