毎日新聞「でっち上げ記事」を推し進めたのは「加計学園」を問題化したい勢力だったのではないか
ライドシェアも長年議論されているが、「ライドシェアは危ない」というタクシー業界のネガティブキャンペーンで何度となくつぶされてきた。昨年秋から岸田政権でも議論されたが、また同じ議論が繰り返されている。 安倍政権での獣医学部新設を巡る「加計問題」では、私は国家戦略特区の委員を務め、役所との折衝などに携わった当事者だった。この規制改革は、要するに「獣医学部の新設は一切認めない」という異常な岩盤規制を52年ぶりに取り払っただけのことだったのだが、マスコミと一部野党の「行政が歪められた」という根拠不明の掛け声とともに、事実は正に「歪められて」報じられてしまった。結局、数カ月に及ぶスキャンダル追及を経て何の不正も見つからなかったが、「規制改革はあやしいものらしい」との印象だけは世間に広まった。
官庁幹部まで――「でっち上げ」に群がった面々
『岩盤規制』では、こうした規制改革の本当の姿を明らかにした。だから、さまざまな分野の利権勢力にとっては甚だ不都合な本だったのだと思う。 発売直後、今度は私自身が捏造スキャンダルに見舞われることになった。毎日新聞は、冒頭で触れた記事を皮切りに、1カ月にわたって連日のように私の不祥事を報じた。最初は学校法人、次は水産業など、さまざまな分野の規制改革で私が不正を働いたかのようなストーリーがでっち上げられた。
一部野党議員たちは野党合同ヒアリングなるものを結成し、こちらも連日のように私のスキャンダルを追及した。果てには、森ゆうこ議員はNHK中継入りの予算委員会で私を犯罪者呼ばわりし、さらに私の自宅住所をネットでさらすことまでした。 振り返っても、本当にひどい目にあった。こうしたことの裏側には利権勢力がいたのだろうと思う。「原が不正を働いている」とのガセ情報を関係者が流されなければ、こんな記事が出るわけがない。 さらに奇妙なこともあった。毎日新聞の記事が出始めた頃、ある幹部クラスの役人が与党議員に対し、「この不祥事は根深い。さらに問題が広がる」と話して回っていたらしい。役人がそんなことを言っているので、毎日新聞や野党議員も「きっと不正が見つかるに違いない」と信じて追及に勤しんだのだろう。もちろん、何の根拠もないガセだから、何も出てくるわけがなかった。