世界中で愛され続けるマツダ ロードスターの魅力とは?
日本人に「オープンスポーツカーと聞いて思い浮かぶ車種は?」と聞くと、おそらく一番多く名前が挙がるのが「マツダ ロードスター」ではないでしょうか。本記事では、誕生から25周年を迎えてもいまだに人気車種であり続ける、そんなオープンスポーツカーの代名詞ともいえるロードスターについて、系譜を振り返りながら人気の秘密について見ていきます。
ライトウェイトスポーツへのこだわりが生んだ「人馬一体」のコンセプト
ロードスターが登場する少し前の1960年代には、ビッグパワーのエンジンに頼らず車体の軽量化でパワーウェイトレシオを稼ぎ出す、いわゆる「ライトウェイトスポーツカー」というカテゴリの車種が欧州を中心に多数存在していました。しかし1970年代に入り、米国で自動車に関する安全基準と排出ガス規制の見直しが行われた結果、この基準をクリアできないライトウェイトスポーツ、特にオープンカーの数が激減してしまいます。そして1980年代、マツダがライトウェイトスポーツの復活を目指して開発したのがロードスターだったのです。 2シーターオープンスポーツカーのロードスターが初めて登場したのは1989年のこと。当時は「ユーノス ロードスター」という名前で販売されていました。この「ユーノス」とは、同社が1989年に国内販売網を強化するべく行った「5チャンネル化」のプレミアムブランドです。世界で唯一となる3ローターのロータリーエンジンを搭載した「ユーノス コスモ」をはじめ、V6エンジン搭載のFFスポーツクーペ「ユーノス プレッソ」、4ドアセダン「ユーノス500」「ユーノス800」など、さまざまな名車を世に輩出しました。 同ブランドの中でも、ロードスターは大きな注目を集めた車種です。開発当時から現在まで一貫している「人馬一体」をコンセプトに、ライトウェイトスポーツならではの“走る楽しさ”を追求していきました。初代(NA系)の開発に際しては、軽快で素直な運転感覚を求めて駆動方式にFR(フロントエンジン・リアドライブ)を選択。エンジンをできるだけ車体の中心付近に配置する「フロントミッドシップ」により、前後の重量バランスを50:50に近づけています。