中森明菜、音楽評論家・スージー鈴木が「音楽家としての真価」に迫る書籍の気になる内容
2023年12月12日に、稀代の歌姫・中森明菜の楽曲に徹底フォーカスした『中森明菜の音楽 1982-1991』(辰巳出版)が発売された。著者は人気音楽評論家・スージー鈴木だ。 【写真】“稀代の歌姫”中森明菜の真価に迫る!目次などはこちら 「音楽家としての中森明菜の真価を、改めてあぶり出すための書である。」と銘打つ本書。時代的な表層現象からのバイアスによって、ややぼやけて映ってきた、アイドルという立ち位置から始まり、単なる歌謡曲でもニューミュージックでもロックでもない独創的な音楽を創り出し、歌い演じ、プロデュースし続けた「音楽家・中森明菜」真の価値にフォーカスし、くっきりと解像度を上げていく一冊となっている。 2022年、中森明菜の突然の復活が噂された。巷に湧き起こっている“明菜ブーム”の最中、著者のスージー鈴木は、そこで中森明菜が「過剰な神格化」をされたことや「選曲の幅の狭さ」のせいで、その価値が矮小化され、本当の魅力が伝わっていないのではないか、という違和感を感じたそう。「最高の歌姫」「抜群の才能」「令和の音楽シーンに失われたものが、すべてそこにはある!」 とうたわれ、『少女A』、『スローモーション』や『飾りじゃないのよ涙は』、『DESIRE - 情熱- 』などの代表曲ばかりが紹介されてきた令和の明菜ブーム。そんな今、表層にとどまることなく真摯に中森明菜の音楽に向き合って執筆された本書は、他にはない音楽クロニクルに仕上がっている。 著者は「これから中森明菜を聴いてみよう、もしくは、当時聴いていたものの、音楽的に再確認したいという人にとってはリスナーズ・ガイドになるはずだ。」とコメントしている。この機会に、中森明菜のディープな音楽世界に浸ってみてはどうだろうか。
文=リアルサウンドブック