次期日本代表監督最有力の森保一氏の五輪監督兼任プランは可能なのか?
「将来的なところでも森保、手倉森はこれからの世代を当然、引っ張っていってもらわなければいけない指導者であり、たくさんの経験を積ませたいと考えています」 五輪代表監督に就任した昨秋から、1997年1月1日以降に生まれた東京五輪世代を幅広くチェックしている森保氏がA代表監督も兼任すれば、西野ジャパンからの継続性が生まれ、懸案事項である世代交代もスムーズに進められるメリットが生まれる。 前出の城彰二氏もこう言及している。 「コミュニケーションを密に細かく取れる日本人監督の方向で正解だと思う。本来ならば西野さんが続投すべきだと思うが、重要なのは監督任せでなく、協会サイドが指針やビジョンをしっかりと持って打ち出して、その考えを代表監督、そして下の世代の指導者とも共有すること。 ロシア大会の総括をきちんと行い、日本の何が通用して何が通用しないかを明確にして、それを公表して前に進むことが重要だろう。またワールドカップでの実績がある外国人指導者などをアドバイザーという形でポイントで招き、新しいものを取り入れればいいと思う」 長年の悲願でもあった日本人監督で勝負をかける、という時期に達したとJFA及び技術委員会が判断すれば、サンフレッチェ広島監督としてJ1を3度制した森保氏は理想的な存在となる。もっとも、東京五輪監督との兼任は物理的に難しいという難題を無視する形で、A代表監督への就任が確実と報じられる状況には違和感を禁じ得ない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)