商品とセット販売される「組み込み型保険」見落としやすい意外な“デメリット”とは?
最近、商品やサービスとセットで販売する「組み込み型保険」が注目されています。 10月10日に登場した住友生命保険の「めまもりほけん」もその一つ。ジョンソン・エンド・ジョンソンが販売するコンタクトレンズを一定枚数以上購入するとセットでついてくる保険です。 保険期間は1年間で、ものもらいが悪化して切開したときや、眼圧を下げる目薬を処方されたときなどに、保険金5千円が支払われます。1年目の保険料は、ジョンソン・エンド・ジョンソンが負担するため、利用者は無料。加入から保険金の請求・支払いまでスマホで完結する点も特徴です。 生命保険業界では日本初の組み込み型保険ですが、考え方は以前から浸透しています。「○○を購入すると△△リスクがあるので、□□保険に加入しませんか」などと勧誘された経験があるでしょう。自動車を購入した際、提携する保険会社の自動車保険を勧められるなど、対面販売が中心のころはこうした勧誘が有効でした。 ですが、WEBでの販売が増えた昨今、損害保険の分野から組み込み型保険が広がってきました。 たとえば「Yahoo! オークション(ヤフオク)」で落札した家電やスマホが故障したときの修理費用を補償する「PayPayほけん・あんしん修理」です。 WEB上で中古家電などを落札すると、保険の加入案内が出てきます。故障リスクが不安で保険に加入したい人はチェックを入れるだけ。ヤフオクに登録した住所・氏名などが保険の申込書にも自動的に記載され、保険料を商品代金と一緒に払えば手続き完了です。 ほかにも、全日空の航空便を予約する際、キャンセル保険「そらもよう」が案内されます。悪天候の恐れなどで予約を取り消す場合のキャンセル費用を補償する保険です。 利用者のメリットは、保険の手続きが簡単なことに加え、保険料が割安なことです。補償範囲を限定し、ネット型保険にすることで、保険料が安く抑えられています。 ただし、補償内容の重複が起こりやすいのがデメリットです。 先述のヤフオクでの支払いにクレジットカードを使えば、故障時にカード付帯の「ショッピング保険」が使えることが多いです。PayPayの保険より補償期間は短いのですが、落札後すぐの故障には対応できるでしょう。 まずは、自分が加入している保険の補償内容をよく確認してください。たとえ安価でも補償内容の重複は保険料のムダ遣いです。 いまや“保険が売れない時代”といわれます。保険会社は新たな戦略として、さまざまなシーンで組み込み型保険を登場させるでしょう。身の回りに、限定されたリスクに備える安価な保険があふれるかもしれません。 私たちは、保険料の安さにつられない保険を選ぶ目を養っていきたいものです。
「女性自身」2024年11月5日号