念願のステージで歓声を全身に浴びるアイナ＝東京・北の丸公園

元BiSHの歌手、アイナ・ジ・エンド（29）が11日、自身初の東京・日本武道館公演を行った。昨年6月の解散から1年3カ月。BiSH時代に果たせなかった聖地のステージにソロで降り立ち、元同僚のモモコグミカンパニーらが見守る中、新曲「ハートにハート」など22曲を全力パフォーマンス。来年1月から全国ツアーを行うことも発表し、ファンを歓喜させた。 令和の若者に熱い支持を受けるカリスマが聖地に初降臨―。暗転した会場に黒いジャケットにボディースーツ姿のアイナがせり上がって登場すると、割れんばかりの歓声がとどろく。ファンの祝福を受けた主役は「うれしい。いや～、私は武道館に立つのが夢だったんです」と感無量。「みんな、バカになろうぜ！」と呼びかけると、さらに大きな拍手が巻き起こった。 武道館公演は悲願。2016年に楽器を持たないパンクバンド、BiSHとしてメジャーデビュー。武道館に向けた楽曲を制作するなど目標の1つに掲げ、21年にNHK紅白歌合戦に初出場するなど圧倒的な人気を誇ったが、実現せぬまま昨年6月に解散。自身も18年のソロデビュー以降、シンガー・ソングライターとして知名度を得てきただけに「清掃員（BiSHのファンの愛称）と過ごした8年間があったから今ソロとして歌って踊れている」と感謝し、「ブチかまそうという気持ち」と気合十分だ。 12月に三十路の誕生日を控え、20代で最初で最後の武道館。名曲「帆」で幕開けし、代表曲「宝者」「Frail」のほか、新曲「ハートにハート」を初披露。〝絶景〟を眺めてステージに寝転がると、「武道館の天井はすごく高い。日本の国旗がかっこいい」とはにかみ、ヒット曲「Love　Sick」では旧友のアーティスト、清水舞手や自らオーディションで選んだダンサー20人とパフォーマンス。元同僚のモモコグミカンパニーやアユニ・D、リンリン（現MISATO　ANDO）が見守る中、22曲を力強く歌い踊った。 アンコールには来年1月22日から7都市10公演の全国ツアーを行うと発表。「また武道館もやりたいんだけど！　生きてまた会おうぜ！！」と絶叫し、「地元の大阪で満員の大阪城ホールの景色を見たい。アイナ・ジ・エンドはずっと歌ってくれる存在と思われたいので健康に気を付けて頑張りたい」と笑顔で誓った。（納村悦子）