高齢化する札幌市の除排雪作業員 50代以上が半数、20代1割未満 担い手確保に腐心
札幌市内で除排雪を担う人材の高年齢化が進んでいる。除排雪車に乗るオペレーター(運転手)と助手の半数は50歳以上で、29歳以下は1割に満たない。不規則な労働時間が若者に敬遠されているのが原因とみられ、市は担い手の確保を目指すとともに、作業の省力化に力を入れている。 市が2022年に実施した市の除排雪受託業者約200社へのアンケートによると、事業に関わる従事者は約4千人。運転手と助手はそのうちの約2500人で、60歳以上は19%、50代は31%と、50代以上が半分を占めていた。29歳以下は7%だった。 アンケートでは10年後のオペレーターの増減見通しについても聞き、回答した190社のうち107社が「減っていると思う」と答えた。 市内のある土木業者は毎冬、社員約30人が除排雪作業に従事するが、29歳以下は5人。若い人が入社してもすぐに退職する事例が多い。後進が育たず、最年長の69歳の社員は仕事を続けざるを得ないという。「大雪だと休日でも出勤が求められる。若い世代はプライベートを重視する傾向があるため、募集してもなかなか応募がない」。この土木業者の社長は頭を悩ませる。