北海道・日高でコンブ不漁の異変 操業日数大幅減、わずか1日の地区も
今季の日高管内の採りコンブ漁が10月末で終わった。昨年の猛暑による影響で資源量が減ったとされ、管内3漁協を合わせた今年の操業日数は延べ149日と前年より233日少なかった。わずか1日で操業を終えた地区も複数あり、漁業関係者は「こんなに不漁だった年は経験がない」と落胆する。 同管内では6月末から7月にかけて漁が解禁されたが、コンブが採れず早めに終了する地区が続出。ひだか漁協(本所・新ひだか町、9地区)の操業日数の合計は前年比33日減の11日、日高中央漁協(同・浦河町、8地区)は同61日減の49日、えりも漁協(同・えりも町、10地区)は同139日減の89日だった。 日高振興局日高地区水産技術普及指導所によると、昨年の猛暑による海水温の上昇で今年採れる予定だったコンブの根が弱り、しけで多くの根が外れてしまった可能性があるという。 ひだか漁協は「節婦」(新冠町)以外の8地区がすべて操業が1日のみと苦しい結果で、同漁協の10月末時点の出荷量は前年同期比約8割減の27トン。日高中央漁協は同約4割減の118トン、えりも漁協は同約1割減の820トンだった。出荷量には昨年までの保管分も含み、今年の水揚げ量を直接反映しないが、軒並み減少となった。一部の漁業者は、海岸に流れ着いたコンブを集める「拾いコンブ漁」を収入の足しにしている。 管内で最も良質なコンブが採れる「特上浜」として知られる浦河町井寒台地区は前年より11日少ない3日で終わった。同地区のコンブ会長の船越谷宗則さん(67)は、例年は1日に2千本採れるコンブが今年は1日数十本程度だったといい「全然資源がなかった。井寒台のコンブは主に関西の料亭でだしとして使われることが多い。飲食業界も困るだろう」と話した。