勝地涼さんの愛車遍歴に迫る! 「勝地涼がオープンにしてて超ウケるんだけど」と、言われた初マイカーとの思い出などを語った
初めての愛車はオープンカー
こうしてひとり暮らしをするようになった勝地さんが、やっぱり自分のクルマがほしいと思うようになったきっかけがあった。 「あれは19歳のときかな? まだ20歳にはなっていなかったと思うんですけど、TBSの緑山スタジオで撮影をしていたときに、事務所の社長が見学に来たんです。真っ赤なBMWの『3シリーズ』のカブリオレで現れて、帰りに運転させてもらったんですけど、自分で買うならこれかも! と、ピンときました」 社長の愛車に感銘を受けたこととは別に、BMWを選んだことには「父へのライバル心のようなものもあったかもしれません」と、勝地さんは認める。 「父はベンツのディーラーにたくさん知り合いがいたので、そのツテを頼ったほうがクルマ選びは楽だったかもしれません。でも、いつかは親を超えたいという気持ちってあるじゃないですか? 親と関係のないところでビーエムの中古を探してもらった……という流れです。今になって思えば、そんな親に対する思いもあったのかもしれませんね」 勝地さんが買ったのは、BMW330iカブリオレで、色は白。1998年から2006年にかけて製造された、E46のコードネームで呼ばれる第4世代の3シリーズで、勝地さんの愛車はマイナーチェンジを経た後期型だった。ちなみに、E46のカブリオレは幌のソフトトップであったけれど、後継モデルにあたる第5世代のE90型のカブリオレは、格納式のハードトップになっている。 「すごく気に入っていたんですけど、意外と写真が残っていないんですよね……」と、いいながら、勝地さんはスマートフォンのフォルダを探す。そして、「あった、あった! 見てください、この写真」と、表情をくしゃくしゃにした。 勝地さんが差し出すスマートフォンの画面には、オープンにした愛車の後席に窮屈そうに収まりながら大笑いをしている鈴木亮平さんの姿があった。所属事務所のプロフィールによると、鈴木さんの身長は186cmある。 「これ、駒沢公園のあたりかな。友だちからも“カッコいい”と、評判がよかったんですよ。いい感じにハンドルが重くて、いかにも運転しているという実感が湧くクルマでした。仕事の移動は事務所のクルマだったので、ビーエムに乗るのは完全にプライベートです。新潟とか福島とか、いろいろなところに行ったなぁ。どんなにぶっ通しで運転しても休憩はいらないし、眠くもならないんですよ。ホントは少し休んだほうがいいんでしょうけれど、遠出をするのは全然苦じゃないです。その代わり、めちゃくちゃ時間がかかります。なぜなら、超安全運転だから(笑)」 カブリオレの屋根は開けていたんですか? と、尋ねると、「買ってすぐの頃はいつも開けていたんですけれど……」と、苦笑する。 「自由が丘のすごく狭い道で屋根を開けて信号待ちをしていたら、女子高生に『勝地涼がオープンにしてて超ウケるんだけど』と、言われて、それ以来、控えるようになりました」 2003年型だったというBMW330iカブリオレに、勝地さんは2019年まで乗り続けた。それだけ気に入っていた愛車を乗り換えることにしたきっかけは、子どもが生まれることだった。 「チャイルドシートを付けるにはどのクルマがいいかな、と、考えたんです。一瞬、ポルシェの『カイエン』も考えたんですけど、あれだとちょっと大きすぎて、駐車場の問題がありました。都内を走ることを考えるとGLCぐらいのサイズがちょうどいいかな、ということでこのクルマに決めました。BMWは走った感じも音もヤンチャな感じがしましたが、GLCは静かで子どもを乗せても信頼できる感じです。燃費のいいディーゼルエンジンを選んだことも含めて、大人の階段を登ったというか」 父を超えたいという思いもあってBMWを選んだ勝地さんが、父とおなじようにメルセデス・ベンツで子育てをしているというのが興味深い。 「そうなんですよね。自分が父の運転する姿を見て育ったのとおなじで、最近、子どもは、GLCとすれ違うと、『パパとおなじクルマだ!』と、わかるようになりました。だからGLCはモデルチェンジをしたけれど、思い出がありすぎて、買い替えたいという気持ちにならないんです」 いまはこのGLCに乗り続けたいという勝地さんであるけれど、もう少し子どもが大きくなったら、古いクルマに乗ってみたいという。後編では、将来乗りたい、勝地さんの夢のクルマを紹介したい。
【プロフィール】勝地涼(かつぢりょう)
1986年生まれ、東京都出身。2000年にドラマ『千晶、もう一度笑って』で俳優デビュー。2005年には映画『亡国のイージス』で日本アカデミー賞新人賞を受賞するなど、俳優としての基盤を固める。テレビドラマや映画にコンスタントに出演し続けながら、舞台でも活躍。今後は、ウーマンリブvol.16「主婦 米田時江の免疫力がアップするコント6本」の上演が控える。 文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・小口あづさ スタイリング・梶原浩敬 編集・稲垣邦康(GQ) 撮影協力・メルセデス ミー 東京