センバツ高校野球 山梨学院、初の8強 県勢22年ぶり 次戦は作新学院と /山梨
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は大会第8日の27日、3回戦3試合があり、山梨学院は光(山口)に7―1で快勝し、準々決勝進出を決めた。チームとして初のセンバツベスト8入りで、県勢としては2001年の市川(現・青洲)以来22年ぶり。山梨学院は大会第10日の第1試合で、作新学院(栃木)と対戦する。【竹田直人、平家勇大】 ◇打線活発で快勝 打者の多くが「長打より短打。本塁打より適時打」と意識する打線がつながり、打ち勝った。 1点先制された直後の二回、5番・佐仲大輝(3年)が右中間を破る三塁打を放つと、7番・大森燦(3年)の二ゴロの間に本塁に生還し、同点に追いついた。 五回の攻撃では、先頭の6番・進藤天(3年)が左越え二塁打を打つと、続く大森が犠打を決めて1死三塁の好機に。ここで8番・林謙吾(3年)が適時打を放って勝ち越した。さらに1番・徳弘太陽(3年)の犠打で1点を加えた。 六回には、2回戦は4打数無安打に終わっていた主砲の4番・高橋海翔(3年)に右翼線への適時三塁打が飛び出すなど、試合を通し打線は活発だった。 投げては、1、2回戦でいずれも1失点完投だったエースの林がこの日も躍動。初回から3者連続三振に切って取るなど、八回途中まで投げて被安打5、9奪三振だった。代わった中田有飛(3年)もスライダーがさえ、後続を抑えた。 ……………………………………………………………………………………………………… ■ズーム ◇「守備職人」打撃でも貢献 山梨学院・伊藤光輝三塁手(3年) 「自分は守りでレギュラーに選ばれている」と自負する“守備職人”が、さすがの好プレーを見せた。 勝ち越した直後の六回の相手の攻撃。先頭打者の安打で無死一塁となった場面で、「ここは絶対送ってくる」と読んでいた。次打者がバントをすると猛ダッシュで白球を拾い、迷わず二塁へ送球、送りバントを阻止し反撃の芽をつんだ。 送球を受けた遊撃手の進藤天(3年)が「練習を重ねてきたプレーだが、甲子園で出せるのはさすが」と称賛。伊藤本人も「相手に傾きかけた流れを断てた」と納得顔だった。 実は打撃は苦手で、仲間からは「攻撃参加しない男」とからかわれることもある。しかし、この試合ではバットでもチームに貢献。五回1死一塁の場面で左前打を放ってチャンスを広げ、3点目を呼び込んだ。「低めのスライダーをうまくたたけた」と甲子園初安打を喜ぶ。 「準々決勝も、まずは守備で、できれば打撃でもチームに貢献したい」。昨秋の関東大会以降、公式戦無失策を続ける名手の活躍は続く。【竹田直人】