曽田陵介初主演映画「惑星ラブソング」公開 テーマは平和「映画ならではの物語という手法で」
俳優曽田陵介(27)が来夏全国公開の映画「惑星ラブソング」(時川英之監督)で主演を務めることが9日までに発表された。 広島を舞台に、終戦から80年を迎えた新しい平和の物語としてアメリカ人観光客と地元の若者が出会い、過去と現在が交錯する中で共に未来を見つめる物語を描く。 曽田は映画初主演で、主人公のモッチ役を演じる。「僕が演じるモッチという役は、まだ自分の殻を破れず、将来に焦りを感じている中、さまざまな出会いがあり成長していきます」と語り「大学生役ということもあり、僕自身広島で学生時代を過ごしたのでどこか懐かしさを感じながら撮影期間を過ごしていました。そして今回は平和がテーマということでモッチを通して皆さまに何か少しでも伝わるものがあればうれしいです。お楽しみに」とコメントした。 時川監督は広島に活動拠点を置く映画監督で、プロデューサーは同じく広島でアナウンサーとしても活動する横山雄二氏が担う。共演するヒロインは若手実力派の秋田汐梨、チェイス・ジーグラー、八嶋智人らも出演する。 時川監督は「平和をテーマにした映画というのは、どうしても教育的になったり、説教臭くなることがあります。もっと多くの人々に伝わるように、映画ならではの“物語”という手法で、ファンタジーの要素を組み込んで作りたいと思いました」と思いを語った。「今の広島の街を反映した不思議な話が交錯する平和の物語です」と紹介し「映画だからこそ、現在と過去、夢と幻が融合し、忘れていた感情があふれ出し、宇宙から広島を見つめることができます。戦争を体験した人たちの、その後を継ぐ世代として、新しい時代に広島だからこそできる物語を世界へ発していきたいと思います」とつづった。 作品は11月末に開催される広島国際映画祭での上映も決定。ノーベル平和賞を受賞した日本被団協代表委員からの推薦コメントもあり、日本原水爆被害者団体協議会の箕牧智之代表委員は「今、世界で戦争していることが本当に痛ましい。それはかつての広島の痛みと同じである。核戦争の危機は迫っている。この星の運命はこの星に住む人たちが握っている。本当にそう思います。世界は平和でなければいけない。そのために自分たちに何ができるのか?もっと多くの若者に感じてもらいたい。世界の平和について考えさせるこの映画を私たちはあたたかく見守りたいと思います」。 広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長は「映画の物語がどう展開するのかを興味を持って観させていただきました。我々が今までやってきた平和活動はストレートな方法で、被爆被害の現実を訴えて平和が大事だと伝えてきた。でも、この映画は全く新しい方法で平和を訴えている。もっと広く市民社会の中で平和を訴えるために、今後新しい世代にどう伝えていくか?ということを考える時に、こういう映画は非常に大事だと思いました。この物語はいろんな意味で考えてもらえるところがある。大きな視点で地球全体のことも考えられる。若者たちがこの物語を観てどう受け取るのかを聞いてみたい。なんとかしなくちゃいけない、これからは自分たちがやるんだということを感じてほしい。平和に向けて粘り強く進んでほしい」とコメントした。 映画「惑星ラブソング」あらすじ ある日、広島の若者モッチとアヤカは、謎めいたアメリカ人旅行者、ジョンに出会い、広島の街を案内することになる。ジョンには不思議な力があり、広島の街に何かを見つけていく。一方、小学校で広島の歴史を聞いて怖くなった少年ユウヤは不思議な夢を見る。夢の中の少女はユウヤを戦前の広島へと案内する。広島の街に起こる不思議な物語が交錯し、やがて一つの大きな渦になる。広島の過去と現代が交錯し、現実と幻が融合し始める。やがて街の人々はいまだ体験したことのないある出来事に遭遇し、忘れていたあの平和の歌が街に響く。広島から放つ、愛と平和のファンタジー。