銅メダル清水のプロデビュー戦に金メダル村田が苦言?!
ロンドン五輪のバンタム級銅メダリストの清水聡(30、大橋)が4日、スカイアリーナ座間で韓国のフェザー級王者、イ・インギュ(24、韓国)を相手に58キロ契約の6回戦でプロデビュー、計4度のダウンを奪い、5回2分13秒にTKO勝利を飾った。試合後、清水はリング上から解説席に座っていたロンドン五輪金メダリストで3年前にプロデビューしている村田諒太(30、帝拳)を“口撃”して場内を沸かせたが、当の村田からは「まだプロにアジャストできずにアップアップしていた」と苦言を呈された。「2人で世界王者」の夢は果たして? 確かにやりにくい相手だったのかもしれない。 韓国のフェザー級王者は、形がないまま、遠くからでも近くからでも、お構いなしで打ってくるような変則ファイター。清水は、ゴチャゴチャに巻き込まれて、なかなかフィニッシュにまで運ぶことができない。 1ラウンドにショートの左をカウンターで当ててダウン。2ラウンド目は、突進してくる相手に右フックをひっかけて、勢いに任せてのダウン。4ラウンドにも、ボディからコーナーでパンチをまとめてダウンを奪ったが、決定打とまでは、いかなかった。 「6ラウンドの判定までいくかと思った」 しかし、ズルズルとゴングを聞かなかったのが、メダリストたる由縁。5ラウンドに長いリーチを生かした左のボディアッパーをカウンター気味に正面からヒット。イ・インギュがうずくまるようにして倒れるとセコンドからタオルが投入された。 清水は右手を何度も突き上げた。 リング上でアナウンサーからインタビューを受けると、放送席に座っていた村田を“いじくった”。 「KO勝ちしたことより、村田が気になりましたね。奴に早く追いつかないといけないのでね」 ーー同じロンドン五輪のメダリストで先にプロ転向した村田選手は意識しますか? 「あいつは目をそらしたので、あいつの方が意識してんじゃないですかね。僕らはメダルを取ってアマの顔でもあるので、2人で世界チャンピオンになりたいですね。頑張ろうぜ、村田!」 記者会見のスペースに戻った勝者は傷ひとつない綺麗な顔をしていた。 「メダリストがここで負けたら話にならない。ベタな表現だがほっとした」 そして「ニュースでは最後のダウンのところだけを音を大きめに使って下さい」と続けて記者を笑わせた。