過去最高成績を塗り替えて国立の舞台へ 近江vs堀越 準決勝展望
ともに過去最高成績を塗り替え、4強の舞台に勝ち上がってきた。 U-18高円宮杯プリンスリーグ関西1部で2位に入り、プレミアリーグ参入プレーオフに出場した近江は勝負強さを発揮し、いずれの3試合も僅差の接戦をモノにして国立に辿り着いた。初戦となった日大藤沢との2回戦、明秀日立との3回戦は0-1の状況からMF山門立侑(3年)のゴールで追い付いてPK戦で勝利。最大の山場となった神村学園との準々決勝は今大会初めてリードを奪いながらも逆転を許す展開となったが、驚異的な粘りでプレミアリーグ勢の神村学園に喰らい付く。2度のビハインドを背負ったが、MF山本諒(2年)の2ゴールで追い付き、最後は終了間際に先制点を決めているMF鵜戸瑛士(3年)がゴール前の混戦からネットを揺らし、土壇場で勝利を手繰り寄せた。 【フォトギャラリー】青森山田vs昌平 攻撃的なスタイルが身上で、3バックの一角に入るキャプテンの金山耀太(3年)も自ら運んで決定的な仕事ができる。シャドーの山門や最前線のFW小山真尋(3年)も技術力が高く、サイドアタックを主体にスピードに乗った攻撃が可能だ。初の国立で思うように身体が動かない可能性もあるが、普段通りにやれば決勝進出の可能性は十分にある。清水でプレーした経験を持つ前田高孝監督がどのような策を打ってくるのか。本格強化8年目で掴んだ大舞台でどのようなプレーをするのか楽しみだ。 一方の堀越は堅守を武器にしぶとく勝利を重ね、過去最高だったベスト8超えに成功した。CB森奏(2年)を中心とする最終ラインはGKの吉富柊人(3年)以外は2年生だが、寄せが早く、組織的なディフェンスで相手を封じ込める。今大会は3回戦まで無失点。佐賀東との準々決勝は相手に攻め込まれる時間帯が長かったが、少ない好機を生かして主将・中村健太(3年)のゴールで前半のうちに先制した。後半は耐える時間となり、何度もポストやバー直撃のシュートを放たれたが、タフに戦って相手に得点を許さない。逆に隙をつき、MF仲村俊(2年)が追加点を奪ってゲームを有利に進めた。最終盤に今大会初失点を喫したが、リードを守り切って国立行きの切符を手に入れた。 夏までは稚拙な守備が目立ったが、3バックから往来の4バックに戻して安定感がアップ。さらに今大会は中日の練習に中西哲生氏が臨時コーチとして指導にあたり、身体の向きなどについてアドバイスを送り、守備の改善を図ってきた。そうした取り組みの成果が現れ、見事に過去最高の4強入りを達成。「ここまできたら優勝したい」と中村が話した通り、選手たちは決して現状に満足していない。新たな景色を見るべく、さらなる高みを目指して挑戦を続ける構えだ。 どちらかが勝っても初の決勝。1月6日に国立競技場で行われる準決勝のキックオフは14時20分だ。 (文・写真=松尾祐希)