7位に終わったペレス

　この夏の間にも、レッドブルを更迭されるのではないかとの噂が絶えないセルジオ・ペレスは、F1ベルギーGPの決勝レースで7位となった。2番グリッドからのスタートだったにもかかわらず、大きくポジションを落としてのフィニッシュに、チーム首脳陣は厳しい目を向けている。 【ペレスは7番手】2024年：F1ポイントランキング 　6月にレッドブルとの契約を2年間延長したペレスは、その後パフォーマンスが優れず、ここ2戦は予選Q1で失敗し、後方からのレースを強いられるなど満足いくポイントを獲得できずにいた。そのためこの夏休みを境に、RBの角田裕毅かダニエル・リカルド、もしくはレッドブルのリザーブドライバーであるリアム・ローソンに、そのシートを明け渡す可能性があるのではないかとの噂が根強い。 　ペレスはその声に反するように、ベルギーGPの予選で優れたパフォーマンスを披露。3番手タイムを記録した。そしてチームメイトのマックス・フェルスタッペンがパワーユニット交換により10グリッド降格のペナルティを受けたため、決勝レースはフロントロウ2番手からスタートすることになった。 　ただその決勝レースではペースが優れず、ポジションを落としていく一方。レース最終盤には後続との差が開いていたために新品タイヤに交換し、ファステストラップを記録したものの、8番手でのチェッカーとなった。後にトップチェッカーを受けたジョージ・ラッセル（メルセデス）が失格となったため7位に繰り上がったが、レッドブルの上層部は不満のようだ。 「チェコ（ペレスの愛称）は2番手から8位に落ちてしまい残念だ。あまり良い結果ではないね。またもやポイントを失った……」 　そう語るのは、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコである。 「チェコは良い結果を出すチャンスがあったが、残念ながらそうはならなかった。特に最後のスティントでの彼は、完全に崩れた。ペースも落ちた。予選では非常にポジティブに見えたが、残念ながらそれはレースでは実現しなかった」 　夏休みが明けた後も、ペレスがレッドブルのマシンに乗っているかと尋ねられたマルコ博士は次のように語り、交代にも含みを持たせた。 「それについては分析しなければいけない。決断を下すには、将来の全体像がどうなるか、2025年に何が起きるのかなどを評価し、見てみなければいけないね」 　ベルギーGP明けの月曜日（7月29日）には、レッドブルのミーティングが行なわれる。ここでペレスの将来も話し合われるとみられているが、この会議がペレスにとってどれほど重要なモノになるのか……マルコ博士は次のように説明する。 「我々にとっては、2025年に向けた全体的な状況も検討する必要がある状況だ。我々には複数名のドライバーがいて、我々のコンセプトというのもある」 「しかしもちろん、セルジオにとっては全ての結果が重要である。2番グリッドから8番手でフィニッシュという結果は、確かに我々が期待していたものではないね」 　ペレスを擁護することが多かったレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表も、月曜日の会議でペレスのことが話し合われることを認めた。 「我々は常に分析し、様々なことを見ている」 　そうホーナー代表は語った。 「明日会議があるが、チェコのことだけが話し合われるわけではない。議題が他にもある。夏休みに入る前には、いつもやっていることなんだ」 「リードを広げた状態で夏休みに入ることができれば、マックスに良い休息を与えられたはずだ」 「ただ我々にとって集中すべきは、コンストラクターズタイトルだ。今日もまた7～8ポイント奪われてしまった。夏休み明けのザントフールト（オランダGP）で、この状況を好転させる必要がある」 　ホーナー代表も、ペレスの結果は想定以下だったと語る。 「彼のスタート位置から判断すると……2番グリッドから8番手フィニッシュするなんて、想定していなかったと思う」