“究極のフェアウェイキープ合戦”となった日本OP 賛否のあったセッティングは世界の流れと逆行しているの?
日本人選手全員が勝ちたいと思う試合に作り直したほうがいい
今年の「日本オープンゴルフ選手権」は主催者である日本ゴルフ協会(JGA)創立100周年記念大会でしたから、歴代優勝者の一人である松山英樹選手(2016年大会覇者)にも出場を打診しました。しかしながら「ベストパフォーマンスを発揮することが難しい」との判断で欠場しました。 そもそも松山選手が2016年大会に出場したのも、親日家のアダム・スコット選手(オーストラリア)が「キミは日本のエースなんだから母国のナショナルオープンには出場したほうがいいよ」と誘ってくれたからです。 スコット選手は今年の大会にも出場しましたが、初日5オーバー75、2日目6オーバー76、通算11オーバー78位タイで予選落ちを喫しました。ラフが長すぎて究極のフェアウェイキープ合戦となった日本のナショナルオープンをどのように感じたでしょうか。 米国のナショナルオープンである「全米オープンゴルフ選手権」もタフなセッティングで知られていますが、「フェアウェイキープよりもラフから短い番手でグリーンを狙ったほうが有利」という持論を展開したブライソン・デシャンボー選手(米国)が2020年大会で有言実行を果たしました。そして2024年大会は2度目の栄冠を手にしました。 今年のセッティングは世界のゴルフの潮流とは明らかに逆行していますし、予定していたセッティングに仕上げることができなかったのであれば、開催時期も含めてゼロベースでナショナルオープンの存在意義を見直すべきです。 DPワールドツアー(欧州男子ツアー)が欧州、アフリカ、中東、アジアのナショナルオープンをめぐる旅として発展してきた流れを考えると、「日本オープンゴルフ選手権」はDPワールドツアーに仲間入りさせてもらうにはどうしたらいいかという発想で大会自体を再構築したほうがいいのではないかという気がしました。
保井友秀