37歳、仕事は楽で定時に帰れますが「手取り18万円」です。残業が多くても収入の多い仕事に転職すべきでしょうか…?
仕事が楽で、かつ残業も少ない状況で働いていると、収入が伸び悩むケースが多々あります。30代にもなると、この収入の伸び悩みが将来への不安につながる人もいるでしょう。そのような人は、転職を検討し始めてもおかしくはありません。 今回は、37歳で手取りが18万円のケースにおいて、残業があったとしても収入の多い仕事へ転職した方がよいのかということを考えます。
日本人の平均給与は?
最初に、手取り18万円がどの程度の水準なのかを把握しておきましょう。国税庁実施の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は458万円となっています。このうち、平均ボーナスは72万円で、それを除くと386万円となります。給与全体に占めるボーナスの割合は、約15.7%です。 同調査によると、35~39歳の平均給与は462万円でした。このうち男性の平均給与は549万円、女性は333万円となっています。前記の割合を参考にすると、30代後半の人のボーナスを除いた平均年間給与は約389万円と推定できます。さらに男女別でも推定すると、男性では約463万円、女性では約281万円となります。
日本人の平均給与と比較してみよう
毎月の手取りが18万円の人の場合、額面は22~23万円ほどと推定できます。仮に月収が23万円とした場合、年間給与は276万円です。 30代後半の人の平均給与はボーナスを除くと389万円程度と推定できるため、それと比較すると113万円も少ないことになります。もしボーナスが支給されていない場合は、さらに差が大きくなるでしょう。
現状と将来について整理してみよう
収入が平均よりも少ないことが、必ずしも転職した方がよい理由にはなりません。収入の高い仕事は残業が多い可能性もあり、また、業務も難しく責任も重い傾向があるためです。 そのような仕事へ転職し、もしプライベートの時間も十分に確保できなくなれば、日々の生活や人生を充実させられないでしょう。現状、空いた時間を趣味などに費やしているのであれば、なおさらです。 転職で忙しくなり、その結果として体や心を壊してしまったら、むしろ収入が減ってしまう可能性すらあります。それでは、本末転倒です。現状をみたときに、生活に困る収入ではなく働きやすさも感じているのであれば、無理に転職する必要はありません。 とはいえ、今後、急にお金が必要になったり仕事が続けられなくなったりする可能性はあります。不測の事態に備え、貯蓄できているかは重要なポイントの1つです。また、老後に安定した生活を送るためにも、貯蓄は欠かせません。平均よりも少ない収入であっても、その中から毎月わずかでも貯蓄へと回しておく必要があります。 貯金だけではなく、iDeCoやNISAを活用し投資による資産形成も検討しましょう。老後への備えが目的の場合、30代後半から始めても遅くはありません。また、貯金や投資へと回すお金を増やすために、副業に挑戦するのも一案です。定時に帰れるのであれば副業にも取り組みやすく、転職せずとも収入を増やせる可能性も高まるでしょう。
収入や資産を増やすための手段は転職だけではない
37歳で手取り18万円の場合、同世代の平均と比べて年間で100万円以上も収入が少ないと推測できます。転職を視野に入れたくなるほどの差ではありますが、無理に仕事を変える必要はありません。仕事が楽で残業もなく、かつ借金などもしていなければ、このままでもよいでしょう。 ただし、将来への備えは重要です。投資や副業でも、収入や資産の増加は狙えます。転職する前に、これらの手段で資産形成を目指してみてはどうでしょうか。 出典 国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告- 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部