あのピニンファリーナがついにクルマメーカーに! ロケットのような速さのカスタムカーって?
「このクルマが、従来の大排気量で12気筒とか16気筒との多気筒エンジンを好んできた顧客にどれだけ受け入れてもらえるか、いまのところ未知数です」。
絶対に日本でウケる! その理由とは?
日本での販売パートナーを務めるSKY GROUPの担当者はそう言います。でも、完全貸し切りにした箱根ターンパイクで乗ってみて、ハイパースポーツカーのなかでも、このクルマと張り合えるだけの加速性能とコーナリング能力をもったモデルはそうそう見つからないんじゃないかと感じ入りました。つまり、絶対にウケそう。
公道でも扱いやすく快適なスーパースポーツカーの誕生
なぜサーキットでの試乗会にしなかったのか。理由を問うと、一般道での扱いやすさと、快適性を体験してもらいたかったので、との答えです。たしかに、硬いは硬い。でも不快ではありません。彼女とのドライブにも十分使えます。静かだし。
内装も凝りまくっています。今回の試乗車は「バッティスタ55」と名付けられた仕様です。内外装の仕上げのインスピレーションになった1955年のランチア・フロリダから命名されています。
バッティスタ・ファリーナ時代に送りだされたランチア・フロリダは、エレガントなセンターピラーレスの4ドアハードトップ。サーキットがもっとも似合いそうなバッティスタですが、じっさいはエレガンスも忘れていないということのようです。今回は、ポルトロナフラウ社にオーダーしたエージングしたような表面処理のレザーが、雰囲気を出していました。専用のラゲッジセットも販売されます。
バッティスタの価格は220万ユーロから。オーダーすると、トリノのアウトモービリ・ピニンファリーナへと招待され、そこで同社のデザイナーと話し合いながら仕様を決めていきます。なので本当は、上記のように“フロリダのイメージで仕上げてほしい”とか言えるとよりカッコいいでしょうが、きっとうまくサポートしてもらえるでしょう。
■ Pininfarina BATTISTA
全長×全幅×全高/4912mm×1214mm×2240mm ホイールベース/2745mm 電気モーター×4/全輪駆動 バッテリー容量/120kWh 最高出力/1400kW 最大トルク/2340Nm 一充電あたりの走行距離/476km 価格/220万ユーロ~
文/小川フミオ 写真/Automobili Pininfarina Japan