カナダ、ウイグル自治区トップら8人に制裁、チベットや法輪功迫害も 中国「内政干渉だ」
カナダのジョリー外相は10日、中国新疆ウイグル自治区やチベット自治区で、また法輪功学習者に対する重大な人権侵害に関与したとして、8人の中国政府の高官らに制裁を発動したと発表した。12月10日の国際人権デーに伴う措置で、ジョリー氏は「組織的な弾圧に終止符を打ち、国際的な人権義務を守るよう求める」と強調した。 制裁を科されたのは、2011年~16年にチベット自治区、16年~21年までウイグル自治区で自治区トップの党委員会書記を務めた陳全国氏ら。陳氏はウイグル人抑圧を主導したとされる。また、現職のウイグル自治区政府のトップ、エルキン・トゥニヤズ人民政府主席も含まれている。8人はカナダ国内の財産が凍結され、企業や個人との金融取引が禁じられる。 カナダ政府は発表で、ウイグル自治区では2017年以降、100万人以上のウイグル人が収容所に拘束され、心理的、身体的、性的な暴力に直面しているとの各種報告に対し強い懸念を示した。 チベット自治区では強制労働や恣意的拘禁、宗教や信仰、移動、結社の自由が制限されているとした。法輪功を巡っては1999年以降、恣意的な逮捕、強制労働、拷問などを通じて抹殺しようとしているとした。 ジョリー氏は声明で「カナダは、ウイグル自治区とチベット自治区での人権侵害、および法輪功学習者に対する人権侵害を深く懸念している」と訴えた。 一方、中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は11日の記者会見で、カナダ政府の措置に対して、「断固たる反対と強烈な非難」を表明し、中国への内政干渉をやめるよう要請した。(奥原慎平)