オーラム、ゾニックスと10億ドルのトークン化ファンドを立ち上げ──XRP Ledgerのデータセンター投資で
プライベート・エクイティ企業のオーラム・エクイティ・パートナーズ(Aurum Equity Partners)は22日、リップル(Ripple)と関係の深い企業向けブロックチェーンであるXRP Ledgerのネットワーク上で10億ドル(約1500億円、1ドル150円換算)のトークン化株式・債務ファンドを立ち上げると発表した。 このファンドはアメリカ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、インド、ヨーロッパにおけるデータセンターへの投資に焦点を当てており、プレスリリースでは「世界初の株式と債務を組み合わせたトークン化ファンド」と説明されている。 このファンドでは、サンフランシスコに拠点を置くトークン化サービスプロバイダーであるゾニックス(Zoniqx)の技術を活用し、裏付けとなる金融商品のセキュリティトークンを作成する。 XRP Ledgerと開発企業リップル・ラボ(Ripple Labs)は、急成長する現実資産(RWA)トークン化市場でシェアを獲得しようとする野心を新たに抱いており、今回の発行はその節目となる。運用効率の向上や24時間体制での迅速な決済を求めて、機関投資家が債券やクレジット(信用)、株式などの伝統的な金融商品をブロックチェーン上に持ち込むケースが増えている。マッキンゼー(McKinsey)、BCG、21シェアーズ(21Shares)、バーンスタイン(Bernstein)などが行った様々な報告によれば、RWA市場は今後数年間で数兆ドル規模に成長する可能性があると推定されている。 また、リップルはニューヨーク州の規制当局から米ドルのステーブルコインの立ち上げの承認が得られるのを待っている。このステーブルコインは、流動性を改善し、機関がXRP Leadgerのネットワーク上で金融資産のトークン化や決済を行うのを支援する上で重要な役割を果たすだろうとリップル・ラボのモニカ・ロング(Monica Long)社長が先週同社の年次会議「スウェル(Swell)」で述べた。 リップルの最高技術責任者でありXRP Ledger共同創設者でもあるデイビッド・シュワルツ(David Schwartz)氏は、「プライベート・エクイティのトークン化はRWA分野で発展しつつあるユースケースの一つであり、こうした市場における流動性不足や限定されたアクセスという課題に取り組むものだ」と指摘。「オーラムとゾニックスは、XRP Ledgerが持つトランザクション(取引)を効率的かつ安全に処理する能力を活用することで、分散型ブロックチェーンの利用によってRWA管理の効率性がどの程度向上するかを示す」と述べた。 |翻訳・編集:林理南|画像:Taylor Vick/Unsplash|原文:Aurum Launches $1B Tokenized Fund for Data Center Investments on XRP Ledger With Zoniqx
CoinDesk Japan 編集部