家政婦の急死、労災認定判決確定 1週間泊まり込み、国側上告せず
家政婦兼介護ヘルパーとして要介護者の家庭に派遣され、約1週間泊まり込みで働いた後に急死した女性=当時(68)=の労災認定を遺族が求めた訴訟で、過重業務による労災を認め、労働基準監督署の不支給処分を取り消した東京高裁判決が4日、確定した。国側が期限の3日までに上告しなかった。 厚生労働省は「関係機関と協議の上、見送ることにした。判決を真摯に受け止め、所要の手続きを行ってまいりたい」とコメントした。 判決などによると、女性は2015年5月、日常生活に介助を要する「要介護5」の利用者宅で約1週間、泊まり込み介護や家事に従事。勤務を終えた日の夜に入浴施設で急性心筋梗塞を発症して死亡した。 遺族の労災申請に対し労基署は、家事業務は家庭との契約で労働基準法が適用されない「家事使用人」に当たるとして、労災保険を支給せず、一審東京地裁判決も労基署の判断を支持。9月19日の東京高裁判決は家事に関しても派遣元の会社の指示があったなどとし、女性は家事使用人に該当しないと判断した。