「もう帰ってくるなよ!」登校時に浴びせられる心ない言葉…養母から受けた酷すぎる“家庭内いじめ”とは?全世代に刺さる奇跡の実話について作者に話を聞いた
ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagram(@yuppe2)で、エッセイ漫画を描いている漫画家のゆっぺさん。なかでも、2021年12月から執筆してきた「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」は完結後、電子書籍が発売。読者からは「(ほかの人にも)読んでみてほしい」「大変な生涯」「人生で一番大切なことが描いてある漫画」など感動の声が続出している。 【漫画】「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」を最初から読む そんな話題の「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」の作者であるゆっぺさんと漫画で描かれている現在92歳のおばあちゃん・キヨさんに、インタビューを敢行!ゆっぺさんの本作に対する想いや、幸せに暮らすキヨさんの現在についてなどをお伝えしたい。 本作では、ゆっぺさんの祖母“キヨさん”の幼少期からの実話が描かれている。父の突然の死をきっかけに、幼いながらも養女として叔父の家で暮らすことになったキヨ。しかし、そこで待ち受けていたのは、意地悪な養母!ご飯をろくに食べさせてもらえないだけでなく、キヨへのいじめはますます激化していき…。 ■キヨさんと作者のゆっぺさんに話を聞いた 主人公であるキヨさんと、作者でキヨさんの孫であるゆっぺさんに、本作について話を伺った。 ――本作では、いろいろと衝撃的でつらいエピソードが出てきますが、ゆっぺさんが印象的な場面はありますか? 【ゆっぺ】たくさんありすぎて…。でも、あかぎれのシーンなどは今のように薬もないので、大変だっただろうな…と。私は子どもがいるので、重ねて見てしまうところもあります。 ――本作に収録されている以外にも、実際はもっとたくさんのエピソードがあったのではないでしょうか? 【ゆっぺ】そうですね、おばあちゃんは話し始めると止まらなくなっちゃうので(笑)。特に戦時中のエピソードなど、泣く泣く削った内容もたくさんあります。なので、今回入れられなかった内容を補うという意味も込めて、いつかキヨさんの「おばあちゃん語録」を書籍化できたらいいなと思っています。おばあちゃんの言葉って、経験に基づいた言葉なので上から目線でもなく、日頃から今の人たちに染みる言葉をすごくたくさん言ってくれているので、いつか実現できたらうれしいですね。 ――キヨさんにお伺いします。キヨさんが手まりを作っているシーンから始まるのが印象的な本作ですが、手まり作りを始められて、どのくらいなのでしょうか? 【キヨ】もう30年くらいですかね。以前、入院したときに作り始めたのがきっかけです。昔は地域の人と民謡をやっていたのですが、年を重ねると(民謡で)身体を動かすのが大変になってきて。何か新しい趣味を見つけようということになり、地域で先生に来ていただき、作り方を教えてもらったのがきっかけです。昔から興味があった手まり作りを教えてもらえたので、「これはやりたい!」と思って。それ以来、続けています。 ――今は日々、どのように過ごされているのですか? 【キヨ】手まり作りもですが、最近は陽気がよくなってきたので、外のことをいろいろとやっています。畑や果樹園をやっているので。 ――畑や果樹園では何を作っているのですか? 【キヨ】畑では馬鈴薯など家で食べる野菜を、果樹園ではリンゴを作っています。消毒は息子がしてくれるけれど、それ以外の受粉作業などはすべて自分でやっているんです。 【ゆっぺ】危ないんですよ。はしごを使って木で作業するから。 【キヨ】3年ほど前、作業中にはしごが倒れて。木にぶら下がってしまったけれど、周囲には助けてくれる人もいなくてどうしようもなくて、そのまま下に着地したら、骨折しちゃったんです。今は治って、またリンゴ作りに励んでいます。息子たちは「お母さんしなくていいよ」って言ってくれるけれど、息子も嫁も勤めに出ているので。昔から果樹園はやってきているから(あまり苦じゃない)。 「食べたいものは自分で作って、休みたいときに休んで、仕事したいときに外へ行って…好きに過ごせる今が、一番気楽で幸せ」とも語っていたキヨさん。過酷な人生をどうやって生き抜き、「幸せ」と思える人生を手に入れたのか…彼女の生き方は現代を生きる私たちにもきっと参考になるはず。まだの人はぜひ読んでみて。 取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)、キヨ