フットサル エスポラーダ北海道の室田祐希が新たなスタート…引退撤回からF1再昇格へ
1年での再昇格へ、フットサル・エスポラーダ北海道の室田祐希(32)が新たなスタートを切る。11日、札幌市内で行われた新体制発表会見に出席。昨季、F1(1部)から初降格し、今季はF2(2部)で戦う北海道は、6月の開幕を前に13日から「Fリーグオーシャンカップ」に臨む。14日の1回戦の相手は同じF2の長野。室田は「結果を求めてやっていきたい」と弾みをつけにいく。 札幌出身の元日本代表は昨年10月、現役引退を発表した。「(21年の)W杯が終わってから意識はしていた。体が動けてるうちに辞めたいなと。高3からお世話になっているエスポラーダで引退という気持ちだった」。ラストシーズンと臨んだ戦いだったが、チームはF1最下位に終わり、2月の入れ替え戦も敗れた。 追い打ちをかけるように3月19日のオールスター当日、「今季の結果次第で廃部も」という報道を見た。「1年で昇格できなかったらチームがなくなるかもという記事を見て。なくなるのは嫌だと」。数日熟考し、クラブに復帰の意思を伝えた。「本当にチームを残したいという思いだけで判断した」。トレーニングも一から再開。4月からは新たな仕事にも就き、「最初は体もしんどかった」。それでも愛するクラブのためにと、気持ちを奮い立たせてきた。 主力メンバーも抜け、新たな布陣で戦う今季。「戦力的には落ちてしまうかもしれないけど」と口にしつつも、目標達成へぶれはない。「上がれなかったらは考えてない。上げるしかないので」。372試合出場の経験を注入し、再昇格を成し遂げる。(砂田 秀人) ◆室田 祐希(むろた・ゆうき)1992年4月13日生まれ、札幌市出身。2010年、エスポラーダ北海に加入。13年に名古屋に移籍。14年に北海道へ戻り、16年からは町田でプレー。21年に北海道へ再復帰した。Fリーグ通算372試合出場174得点。11年Fリーグ新人王受賞。日本代表は13年から選出され、21年リトアニアW杯に出場。168センチ、63キロ。右利き。背番号7。 〇…新体制発表会見で、今季就任した菅野大祐監督(44)は「今季のF2優勝とF1昇格はゆるぎない目標。苦しいところを乗り越えて、結果を出していきたい」と表情を引き締めた。F2降格による収入減少など財政負担拡大が憂慮され、チーム内で今季の結果次第では廃部を検討する議論が交わされている。石井肇GM(64)は「この状況を力に変え、結果を出そうという思いでみんなが前を向いている」と強調した。
報知新聞社