「老いた親とデイサービスの相談をしたい」うまく思いを伝えられる人がやっていること
「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。 ● 老いた親とデイサービスの相談をしたい 「人の世話になりたくないなんて言っている場合じゃないよ」。歳をとっても1人でなんでもやろうとしてしまう親を諌める言葉です。特に足元がおぼつかない、頻繁に転ぶなど明らかに放っておいたらまずいことがあるのにもかかわらず、言うことを聞いてもらえないと困りますよね。 親世代は、とにかく「人の世話になりたくない、人の迷惑になりたくない」のです。 それは昭和の価値観の1つだと考えてください。私も母親によく「人様に迷惑をかけるな」と言われたものです。親世代にとって「譲れない信念」みたいなものですから、まずは、そのまま受け入れて、親の信念を応援する立場からはじめるのがいいでしょう。 理想の人生は、旅立つその日までピンピンしていて、コロッとです。そのため、あとはそれを実現するための策を伝えると親は耳を傾けてくれるかもしれません。 たとえば、皆さんの親が「デイサービスなんて恥ずかしくて嫌!」と言うのであれば、「わかるその気持ち。私も同じだよ。けど、世界の富裕層はデイサービスとかで運動習慣を保っているんだって」のように相手を肯定しつつ、情報を伝えてみてください。 リハビリやデイサービスなどに通う習慣を持つことで、まるで富裕層のように、健康を維持できる姿をイメージさせると親の心は動きます。 実際にリハビリ型デイサービスに通う方々は、健康意識が高く、積極的に参加されている場合が非常に多いです。服装も清潔感があり、シンプルでお洒落な雰囲気です。このような環境に身を置くと自然と自意識も上がり、仲間もできます。 また、日常会話の話題は有益な健康情報が中心となるので、健康意識がさらに高まりいい循環も生まれるのです。言い方はさまざまあると思いますが、親にいいイメージを想像させることができたら大成功でしょう。
萩原礼紀