「せっかくの企画が台無しに?」京急蒲タコハイ駅の受難!言いがかりテロにどう対処する?
悪意がないのが……
実はこの件、先週あたりからSNSでチラホラ話題になっており、サントリーはすでに一部の飾りつけを中止、今後撤去する箇所も決めているとのこと。件のNPOは「自分たちの成果だ」と鼻息荒いんですが、それ、サントリーの 「面倒な人たちに絡まれてしまった。長引くと協力してくれた飲食街に申し訳ない。最低限の対応だけして大人しくさせよう」 という判断ですからね。だってメインの駅ナカ酒場、それに連携する飲食街イベントは予定通り実施するそうなので。うん、よかった。 今回の件って、マーケティング的に「ターゲットじゃない少数の人」が騒いでいるだけで、世間の声もその多くがサントリーに同情的なので、すべてガン無視でも良かった気がします。 数年にわたる新型コロナで、アルコール業界はもちろん、交通機関だってかなり厳しい状況です。また今後の人口減を考えれば、交通機関が「駅名ネーミングライツ」みたいな新ビジネスを展開していくのはとても重要なこと。邪魔しないでほしい。 ノイジーマイノリティの方々って、そのクレームや不買運動に悪意は無いのかもしれませんが、実は悪意がないのが一番タチ悪いんですよね。特に今回なんて、やっていることは表現の自由に対するテロリズムですから。「ワタシが嫌だと思う表現活動は禁止すべき」なんて幼い要求がまかり通るはずないでしょう。 ペットフードの広告はペットロスの人を傷付けるでしょう。赤ちゃんが出てくるCMを辛く感じる人もいます。食事制限で大変な思いをしている人は、食べ物のCMすべてが憎いはず。誰も傷付けない広告や表現ってありえないんですよ。 いつも書いていますが、多様性って「互いの違いを認め合う素敵な世界」なんかじゃなくて、気に入らないもの、受け入れたくないものでも、その存在だけは認める、ガマンする世界です。 だから、自分勝手な基準を振り回して周囲に迷惑をかける人達も、その存在だけは認められガマンしてもらえる。でもまったく相手にしなくてOK。そんな共通認識のある社会を作っていきたいですね。 Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員) ※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。
小木曽 健