PTA委員決めの“理不尽”がつらい 「卒業までに最低1回ルール」「できない事情を全員の前で告白」
お子さんの小学校では、PTAの委員決めは平和に行われていますか? 委員をしかたなく引き受けたことはありませんか? PTAのマイナスイメージの根源ともいえる“委員決め”について、PTAに詳しいノンフィクションライターの大塚玲子さんに聞きました。 【これもPTA会費?】「通知表のファイル代」に「草刈り機代」…使い道の一覧はこちら ■そもそもアウトの委員強制 「新年度の保護者会が終わった途端に、体育館の扉がガシャーンと閉められ、PTAと卒対(卒業対策委員)の委員決めがスタート。和やかだった会場はシーンと静まり返り、うつむいて黙り込む保護者で重たい空気に……。そんな時間が永遠に続くかと思われた矢先、早く帰りたい気持ちと、沈黙に耐えきれなくなった人が、しかたなく委員を引き受けることになりました」(東京都・小6女子の母) 「えっ? 扉が閉められる?」と驚く方もいるかもしれませんが、これ、一部のPTAでリアルに行われていること。誰も立候補がいない場合に、くじ引きで”運命”を決めるところも少なくないですが、断るためには、みんなの前で「親の介護が」「実は体調が……」などと事情を告白しなくてはいけない、なんていうケースもあるようです。 でも、学校はわが子が毎日の大半を過ごす場所。文句を言ったりボイコットしたりするわけにもいかなくて、委員決めの日が近づくたびに何とも言えないモヤモヤ感に襲われる人が多いのではないでしょうか。 長年、PTAについて取材を続けてきたノンフィクションライターの大塚さんはこう話します。 「そもそもPTA活動は、身を削ってまでやるものではないんですよね。『子ども一人につき最低1回は委員をやってください』などと言われても、本当にどうにもできない事情を抱えている人もいるわけです。それなのに、そんな人にまで委員をやらせて、大変な人がますます大変になるというのはおかしな話。そもそも、どんな人にもやりたくないのには理由があります。『PTAだから』というだけで、ありえないルールがまかり通っているところからして問題だと思います」