「何か行動を起こさなければ、雪がなくなる未来になってしまう」スポーツ界が使い捨てプラごみ削減に向けて立ち上がるワケ
アスリートたちから社会問題を発信する意味
イベント後半のトークセッション「気候変動・海洋汚染問題に対して、スポーツ界から取り組む意義」では、岩崎さん、同志社⼤学准教授でプラスチックが専門の 原⽥禎夫さん、Jリーグ・ヴァンフォーレ甲府の社会連携部・渡辺敬太さんが登壇した。 その中で渡辺さんは、ヴァンフォーレ甲府が取り組んだ事例を紹介。試合開催時に出る周辺地域のゴミ問題をどう解決していったか、試合会場の飲食ブースで使用されたプラスチック食器のリユースなど、来場した観客や飲食店側にどう意識づけるか、積極的に参加してもらうか、その試行錯誤について説明した。 もうひとつのトークセッション「アスリートが社会問題に取り組み、発信することについて」では、渡部さん、一ノ瀬さん、Bリーグ・福島ファイヤーボンズの田渡凌さんが話し合った。田渡さんは前日に新潟で試合があった中で駆けつけた。 「バスケは(室内で行うため)夏は涼しく、冬は暖かい。(外で試合に出るアスリートほど)環境問題や気候問題にあんまり直面することがないが、この活動の講義や勉強会で意識が変わった。福島県は過去10年ほどゴミの量が全国で特例トップ3にずっとランクインしている(※)。これをどうにか減らせないか、自分が所属している福島ファイヤーボンズが地域のリーダーとして入れるように、まず自分がそこを頑張っていきたい」 (※環境省の統計による1人当たりのごみ排出量) 実は日本のスポーツ界においても、プロ野球、Jリーグ、Bリーグ、マラソン大会など多くのスポーツチーム、試合や大会などの興行で、プラスチックごみ問題の取り組み自体は、大なり小なり行われている。 ただ、その活動の結果までは、なかなか見えてこない。このプロジェクトが広がっていくことで、取り組みそのものだけでなく、今回掲げたような具体的な数字を発信していけば、参画するアスリートやスポーツ団体を通じて、多くの人々に意識付けできるかもしれない。
大塚淳史