「昔のSiriみたい」と石丸伸二氏に逆風も…それでも支援者が「石丸はそれでいい」と断言するワケ
前・安芸高田市長の石丸伸二氏が一転して逆風にさらされている――。 7月7日投開票の東京都知事選では現職の小池百合子氏には大差をつけられたものの、立憲民主党を離党した蓮舫を追い抜き2位に躍進。得票数は約166万票にものぼった。 【狙うは来夏の都議選です】「石丸新党結党」の極秘計画を石丸伸二氏の選挙参謀がついに明かした! 一躍時代の寵児となった石丸氏だが、選挙特番では“不穏な物言い”が目についた。 番組に出演していた社会学者の古市憲寿氏とは話がかみ合わず、夜の『Mr.サンデー』(フジテレビ系)でもインタビュアーの元『乃木坂46』山崎怜奈に対し“塩対応”に終始した。 全く話が通じないやりとりはネット上で「石丸構文」と揶揄され、大喜利状態となっている。 選挙期間中のさわやかな印象とは一変。視聴者からは 「感じ悪い」 「こんな人だったのか」 と驚きの声。中には 「ひと昔前のSiriみたい」 と、話が一向に進まないサマをスマホのバーチャルアシスタントに例える意見もあった。 「あれは明らかにワザとやっていますね。テレビ、ラジオ、新聞のオールドメディアに対しては以前から手厳しい。何もわざわざ敵を作るような物言いをしなくてもいいように思いますが、石丸氏には狙いがあるのでしょう」(全国紙政治部記者) 旧態依然のメディアには攻撃的な石丸氏だが、尊敬する橋下徹元大阪府知事や、泉房穂前明石市長とのやりとりではツンデレぶりを発揮。前出フジの選挙特番では 「たとえば泉さんなり、橋下さんが新党を立ち上げるとおっしゃる場合には、ぜひ一緒に頑張りたい」 とラブコールを送った。 ユーチューブ番組でも石丸氏はにこやかに振る舞っている。ホリエモンこと堀江貴文氏やオリエンタルラジオ中田敦彦のチャンネルで対談した際は、攻撃性は鳴りを潜め、何度も笑顔を見せた。 10日に生配信されたユーチューブ番組『ReHacQ-リハック-」でも、石丸構文について 「いいぞ、もっとやれって。それくらい僕は政治のエンタメ化に真剣なんです。好きも嫌いも全部のせで政治がエンタメかされるならそれが本望」 と笑顔で回答。 「なぜ開票特番でブチギレていたのか?」 という問いにも、逆質問でごまかさず 「善意に対しては善意で返すし、敵意に対しては敵意で返す。雑な質問するにはそれ相応の。相手が真剣に調べてきている時は見合ったクオリティーを担保して返す」 と持論を展開した。 これにテレビ局関係者は 「政治家が悪意ある質問に晒されることはしょっちゅう。天下を獲りたいのなら、そうした質問にも対処しなければならない。 政治のエンタメ化を標榜する割に、“事前審査”が厳しい印象。イマイチ彼が何をしたいのかわかりません」 と語る。 それでも熱狂的な支持者はブレない。同氏のボランティアに参加した40代女性が語る。 「彼はネット戦略でのし上がってきた人。支持者にはテレビ、ラジオ、新聞を“マスゴミ”扱いする人が多い。 その意向を汲み取り、オールドメディアに厳しい姿勢を鮮明にしているのではないか。石丸さんが“マスゴミ”をやりこむ姿に支持者は溜飲を下げているのです」 7日の開票直後、石丸氏は落選について 「NHKをはじめとしたマスメディアが当初全く扱わなかった」 とチクリ。集まった支持者からは 「そうだ、そうだ!」 「マスゴミふざけんな!」 と怒号が飛んだ。 前出の40代女性は 「既得権益や“老害”と呼ばれる議員を一掃するというのが、彼のスタンス。支持者も『このままの石丸でいい』と思っている人が多い。メディアは『逆風』と騒ぎ立てるけど、支持者は逆に関係性を強固にしている」 と言い切る。 「石丸さんは、12日深夜のバラエティー番組『オールナイトフジコ』(フジテレビ系)に出演し、『タイプの子は?』などの女子大生からの質問に笑顔で対応するなど、違う一面も見せている。既存のマスコミに厳しい対応をするのは、やはり彼“の岩盤支持層”に向けてのアピールなのでしょう。 その一方で、バラエティー番組などでは“柔和な”石丸像を見せることで、古い政治家とは違うというところを見せ、無党派層の若者たちにアピールしている。非常に賛否が分かれる人ですが、計算され尽くされた、うまい戦略だと思いますね」(前出・全国紙記者) “石丸旋風”は今後も続きそうだ――。
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