マグネシウムは何に効くの? 効果と副作用について栄養士が解説
※この記事は、海外のサイト『グッド・ハウスキーピング』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
映画『X-Men』に登場するキャラクターの名前のようなマグネシウム。多くの食品に含まれるこの必須ミネラルは、ある意味栄養界のスーパーヒーローと言えるかもしれない。「マグネシウムは、体内の300以上の化学反応に関与します」と説明するのは、ニューヨークにある「エムピーエム・ニュートリション」で管理栄養士を務めるマリッサ・メシュラムさん。「マグネシウムは補因子として機能し、酵素が体内でさまざまな反応を行うのを助けます」と彼女は続ける。マグネシウムの重要な機能には、血糖値の調節、神経と筋肉の機能の維持、強い骨の保持、免疫力の向上、心拍の安定などが挙げられる。
さらにマグネシウムは、優れた睡眠に役立つ可能性もある。「興味深いことに、マグネシウムはDASHダイエットの重要な栄養素でもあり、血圧の低下を助けます」と補足するのは、「ローレン・ツイッジ・ニュートリション」を運営する栄養士のローレン・ツイッジさん。「マグネシウムは主要ミネラルであり、ほかのミネラルよりも多くの量が必要です。体が適切に機能するために、食事から十分な量のマグネシウムを摂取することが重要です」
マグネシウムに関するさらに注目のニュースがある。オーストラリアで行われた最新の研究で、食物によるマグネシウムの摂取がとくに女性の脳の健康状態の改善に影響することが判明した。さらに最近の研究レビューでは、2型糖尿病患者へのマグネシウム投与に、収縮期血圧と拡張期血圧の両方を下げる可能性が示唆されている。「マグネシウムが体内で多くのプロセスを調節していることを考えると、欠乏によって多くの問題が発生することが予想されます」とメシュラムさんは付け加える。
マグネシウムの一日あたりの平均推奨摂取量は、成人女性で310~320mg(10代の女性や妊娠中の女性は、もう少し多い約360mg)、成人男性は400~420mgであり、食べ物を通して摂取するのがベストな方法だという。たとえ食事から十分なマグネシウムを摂取できなかったとしても、本当のマグネシウム不足(筋力低下、いらいら、眠気、うつといった症状)になる可能性は低い。しかし、利尿薬による治療中の場合や極端に質の悪い食事、クローン病やセリアック病などの消化器疾患、アルコール依存症、重度の嘔吐や下痢、2型糖尿病の合併症といった一部の状況下では、マグネシウム欠乏症のリスクが高まる恐れがある。 「マグネシウムが欠乏すると、一部の体の機能が低下したり、完全に機能しなくなる傾向があり、その結果、食欲不振、疲労、嘔吐などの一般的な症状を引き起こす恐れがあります。放置して悪化すると、体のしびれ、異常な筋肉の収縮、不整脈、さらには発作など、より重大な症状が発生する場合があります」とツイッジさんは説明する。 ここでマグネシウムのサプリを探す際、少し混乱することがある。というのも、市販のマグネシウムにはいくつか異なる種類があり、どれも似ているように見えて機能が若干異なるのだ。「期待する効果を得るには、摂取しているマグネシウムを理解することが重要です」とメフラムさんは指摘する。さっそく、専門家による説明を見てみよう。