生き生きとした線を感じて 漫画家 上田さん 信金駒場支店で原画展【長野県阿智村】
長野県阿智村清内路在住の漫画家、上田久治さん(70)の作品展が、飯田信用金庫駒場支店で開かれている。上田さんが手掛けた漫画作品の原画や、単行本・雑誌の表紙に使われたカラーイラストなどをロビーに展示。訪れた利用者の目を楽しませている。 上田さんは愛知県豊田市出身。漫画家のつのだじろう氏に師事し、アシスタントとして経験を積んだ後、30歳の時に月刊少年マガジン(講談社)でデビューした。著作に『KEIJI』『劇画 坂本龍馬の一生』『日本霊書記』などがある。 会場には上田さんが収蔵している原画、カラーイラストなど計25点がずらり。生の原稿を間近で鑑賞することができ、上田さんは「印刷されたものにはない、原画だから分かる生き生きとした迫力ある線を見てほしい」と魅力を強調した。 展示作品の中でも5、6年にわたって連載したKEIJIは特に思い入れがあるといい、「当時は龍馬の漫画と並行して描いており、寝る暇もなかったが今となっては良い思い出」と振り返った。 上田さんはアシスタント時代から取材のため何度も伊那谷を訪れ、自然や伝統文化に関心を持ったといい、大病を経験したことをきっかけに、5年前に東京から移住。現在は清内路を拠点に各地の民俗芸能を取材して絵を描いている。 今回の作品展にも阿南町の「和合の念仏踊り」などを題材にした水彩画2点を出展。「いずれは漫画でも表現できれば」と構想した。 作品展は5月2日まで。問い合わせは同支店(電話0265・43・2211)へ。