【プリンス関東2部】桐光学園が前橋商との最終戦を白星で飾りプリンス関東2部を4位で終幕
12月1日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 関東2部の最終節が開催され、前橋商に2-0で勝利した桐光学園が順位を4位に上げ、全日程を終了した。 【フォトギャラリー】 桐光学園 vs 前橋商 双方とも3年生にとっては高校ラストマッチ、そして下級生たちにとっても3年生とボールを繋ぐ最後の一戦。「勝って終わりたい」という気合と緊張感が入り混じる中、定刻通り桐光学園ボールでキックオフされた。 試合は立ち上がりから積極的に前に出る前橋商が1分、ゴール右横で獲得したDF6廣田凌星のFKから先制ゴールを狙うが、ここはGK1大村昭裕の好守に阻まれゴールならず。これに対し、桐光学園も4、7分と2本のセットプレーを得るが、合わせたボールはいずれも枠を捉えることができない。 すると17分、前橋商は自陣内での連携ミスからバックパスが無人のゴールに向かって転がるも、間一髪でGK12大谷優太が掻き出して失点を免れる。これを機に流れを掴んだ桐光学園は34分、FW9丸茂晴翔が右サイドからのクロスを胸トラップからのボレーで、40分には左サイドからMF8伊藤壮喬がFKからゴールを狙う。前半は両チーム譲らずスコアレスで折り返す。 後半に入ると桐光学園は「背後とかポケットを取りに行くのに少し立ち位置を変え、システムを変えたことでアグレッシブさが攻守に増えた」と鈴木監督が話す通り、動きに力強さが加わる。すると55分、MF6湯藤翔太が中央からドリブルで侵入、ここは相手DFのブロックに阻まれたものの、こぼれ球を回収したMF10吉田晃大が「自分の良さである仕掛けから、しっかりとゴール前に入って行く動きが点に繋がった」との言葉通りのカットインから左足一閃。この一撃が豪快にゴールネットを揺らし、ようやく先制にこぎつけた。すると直後の57分には先制点のお膳立てをした湯藤のGKへの激しいプレスワークから追加点を奪い、一気に流れを引き寄せると、その後はチームの持ち味であるハイプレスが冴え、MF8萩原陽向を起点とした前橋商の反撃を遮断、結局そのまま逃げ切り、リーグ最終戦を無失点勝利で締め括った。 試合後、高校生活最後のゴールが先制点となった吉田は「最後の試合ということでチームのためにも、そして今まで熊本から(桐光学園に)来ている自分を支えてくれた仲間の保護者だったり、自分の親、そして監督、コーチ、スタッフに感謝の気持ちを忘れず、自分らしく誰よりもチームに貢献するということ意識してプレーしました」と試合を振り返った。 また、2点目を奪い守備でもチームの勝利に貢献した湯藤は「選手権に負けてから1週間ぐらいはみんな切り替えることができなかった。今週は練習から気合が入っていて、雰囲気が悪くなった時もみんなで声をかけあってできたので今日はその結果が出たと思います」と勝利を喜んだ。 さらに鈴木監督は「もう少し取れるべきところで取りたかった。特に前半のところで。やっぱり得点を取って、もう少し余裕を持ってゲームを進められたら良いなとは思ってました」と、教え子たちの力を信じているからこその辛口で試合を総括したものの「(選手権予選で敗退して)気持ち的には決して楽なメンタルではなかったですが、(リーグ戦の)残り3試合を無失点で終えてくれたので、3年生中心に彼らが背中で1、2年生に見せてくれたと思います。最後までやりきってくれたことに彼らに対して敬意を持って褒めてあげたいなと思ってます」と優しさの籠った労いの言葉で締め括った。 一方、来季は県リーグから返り咲きを目指す前橋商の笠原恵太監督は「1年間、このカテゴリーにいたからこそ全国クラスのレベルを味わうことができました。最初は慣れずに苦しみましたが、後半は当たりやスピードにも対応して、勝ち点も取れるようになった。こちらから指示を与えなくても自分たちで対応できるようにチームが成長してくれたのは嬉しかった」と選手たちの成長に目を細めた。 (文・写真=西山和広)