【名手の名言】ゲーリー・プレーヤー「ゴルファーの最大の敵は、自分であって相手ではない」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。今回は「ビッグスリー」の1人で世界で150勝以上を挙げるレジェンド、ゲーリー・プレーヤーの言葉を2つご紹介!
「ゴルファーの最大の敵は、自分であって相手ではない」
ゴルフという競技の本質をついた言葉である。ゴルフにおける闘いとは、自分とコースと相手との相関関係において成立する。特にストロークプレーにおいては特定多数のプレーヤーとスコアを競うのだから、目の前の相手に勝ったからといって優勝できるとは限らない。 だから、自分の意志どおり、最高のマネジメントどおりにプレーして結果を待つということが大事になるわけだ。そのためには、目の前の相手のプレーに一喜一憂することなく、自分のプレーをすることである。 また、自分が最高のプレーをしても、誰かがそれ以上のプレーをすればその人に勝ちをゆずることになるのも、ゴルフ競技の奥深いところであろう。トーナメントで優勝争いしている人にインタビューすると、たいていの選手が「自分のゴルフをするだけです」と言うのは、この名言を体感して知っているからだろう。そしてこの名言を吐いた人がゲーリー・プレーヤーだったからこそ、真に迫るのだろう。 168センチという小柄な体格ながら、ハードな練習と肉体の鍛錬を己に課し、アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラスとともに『ビッグスリー』と呼ばれ、世界に君臨した。努力の人なのである。 プレーヤーがこの名言を吐くバックボーンは、故郷・南アフリカで見たハリー・バードンの模範試合であったという。バードンが氷のように冷静で、同伴競技者を忘れ、哲学的冷静さと思える態度でプレーすることに感銘し、自分もこのようなゴルファーになろうと決意したというのである。 禁欲的で黒づくめのいでたち、精悍なイメージで『黒豹』のニックネーム。また愛馬に『ニンタイ』(日本語の忍耐)と名づけた男だからこそ、この名言が一段とリアリティを帯びるのである。