「あったかい便座が懐かしいね」 汚物が重くてビニール袋が破れたことも 断水続く被災地のトイレ問題 能登半島地震
珠洲市の蛸島小学校には、始業式に合わせて児童に安心して使ってもらいたいとトイレトレーラーが北海道沼田町から1月22日に届けられていました。 (小学生) 「地震前に使っていたトイレと似ていて、いつも通りの感じでよかった。仮設トイレは、穴が空いているからそこから臭う。トイレトレーラーは流した後に閉まるから臭わなくていい」 設置に奔走する「助けあいジャパン」の石川代表に聞きました。 (助けあいジャパン・石川淳哉共同代表理事) 「避難してから亡くなること(災害関連死)は、我々が止めることができる。南海トラフ巨大地震でこの仕組みがあると、めちゃくちゃ役に立つ」 また、愛知県からは刈谷市と阿久比町から「災害用トイレトレーラー」が、石川県に派遣されています。いま、なお続く被災地のトイレ問題。 (穴水町で避難している女性) 「出さないというわけにはいかないし、尿はこらえられないが大便は長いこといかなかった」 「最初は緊張で下痢気味で、その後今度は便秘になった」 「一日でも早く水がほしい」 (輪島市で避難している女性) 「あったかい便座が懐かしいね」 2016年の熊本地震の際に、NPO法人「日本トイレ研究所」が被災した皆さんに行ったアンケートでは「避難生活の初期において最も困ったことは?」という質問に対し「食事」より「トイレ」の問題が上回っていました。 そして今回、災害派遣医療チーム=DMATの一員として、石川県内で医療支援を行っている、名古屋大学病院の山本尚範医師はこう指摘します。 (山本尚範医師) 「トイレを我慢することによる色々な弊害が出てくる。我慢していると、菌が尿道を通って逆流してくる。膀胱炎など尿路感染症になってしまうことがある」 さらに、山本医師は水分摂取を控えるあまり、命の危険に及ぶ場合もあると指摘。 (山本尚範医師) 「脱水になりますので、心筋梗塞や脳卒中、脳梗塞などの血管が詰まるような病気が起きやすくなる」 穴水町で被災した静岡県出身の女性は、いつおきてもおかしくない南海トラフ巨大地震への備えを私たちに話してくれました。 (静岡県出身・穴水町で避難している女性) 「いずれ起こるであろう南海トラフ巨大地震。私は静岡県出身なので、こんなに人口が少ないところでも本当に大変なことが起きた。今からでも一日でも早くもっともっと備えてほしい。水は当たり前には手に入らない」
CBCテレビ
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