「CGみたいな筋肉…」不可能だと思われた実写化作品でイケメン俳優が見せた「体当たりシーン」
■“性”に興味津々な男子学生を怪演!『やるっきゃ騎士』中村倫也
漫画特有の過激な“お色気シーン”も実写化においては高いハードルとなってしまうものだが、それを見事に乗り越えた作品といえば、1984年から『月刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、『やるっきゃ騎士(ナイト)』だろう。 みやすのんきさんによる学園ラブコメ作品で、“女尊男卑“を掲げる聖愛学園へと転校してきたスケベな主人公・誠豪介と、ヒロイン・美崎静香の対立や交流、学園全体を巻き込んだ珍騒動の数々が描かれている。 そんな本作の実写映画が2015年に公開された際、体当たりな演技で原作キャラを再現したのが、主人公・誠豪介を演じた中村倫也さんだ。 役柄によってさまざまな演技を使い分ける“カメレオン俳優”と称される中村さんだが、本作ではスケベでありながらも恋に対し一直線な男子学生・豪介を見事に自身のなかに憑依させた。 中村さんはこの役柄を演じるにあたり、“とにかく過激なことを考え続けることで己を奮い立たせ、身も心も誠豪介になりきることで撮影に臨んだ”という。その表情の一つ一つに純真な男子学生特有の感情がこれでもかと表現されており、作り物ではないリアルな“誠豪介像”を徹底再現。 女性の肉体やブルマ、水着を見つめる恍惚とした表情からも、中村さんの振り切った演技力が存分に伝わってくるのだから凄い。 性に興味津々な学生の必死な姿、そして恋に不器用に向き合う純粋無垢な立ち振る舞いを素朴に演じきった名俳優だ。
■“全裸”から滲み出る圧倒的なカリスマ性…『今際の国のアリス』山下智久
2020年よりNetflixで配信が開始された実写ドラマ『今際の国のアリス』では、これまでとは一線を画した裸姿を披露したキャラクターが登場している。 本作は『週刊少年サンデーS』『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載された麻生羽呂さんの漫画を原作としており、異次元の東京に迷い込んだ主人公たちが生き残りをかけた「げぇむ」に挑むというストーリーだ。 2022年からはじまったシーズン2で、そんな裸姿で視聴者を圧倒したのが、“山P”の愛称でもおなじみの山下智久さんである。 山下さんは「げぇむ」の参加者の一人でバンドのボーカルとして活動していたカリスマ性溢れる男性・キューマ役に抜擢された。だが、肝心なのはその出で立ち……なんとこのキューマ、作中を通してほぼ“全裸”という、なんとも特異なキャラクターなのである。 ドラマの予告動画では上半身のみの裸体を披露していた山下さんだったが、本編でまさか彼が終始“全裸”のまま活躍することになるとは、視聴者も予想だにしなかったのではないだろうか。 鍛えられた肉体美を存分に披露しながら立ち回る山下さんの演技は、まさに圧巻の一言。彼がなぜ“裸”にこだわるのかという理由が、ストーリーを追うごとに明らかになってくるのも本作の実に巧妙かつ面白い点だろう。 メガホンをとった佐藤信介監督は「あの肉体はもちろんCGじゃないですが、まるでCGのように完璧です」と賞賛。そんな山下さんの“完璧”な姿を、ぜひご自身の目で確かめてみていただきたい。 表現の際どさや過激なシーンの連発など、漫画作品の実写化には独特の難問が立ちはだかるものだが、数々のイケメン俳優たちが度肝を抜くような演技プランによってそれを突破している。 彼らが披露した体当たりシーンの数々は、作品を盛り上げ、より魅力的なものにしていた。
創也慎介