伊豆箱根鉄道駿豆線 24年度中にタッチ決済導入
伊豆箱根鉄道(三島市)などは2日、交通系ICカード利用ができない駿豆線で、クレジットカードなどによるタッチ決済乗車サービスを本年度中に開始すると発表した。静岡県内ではバスへの導入事例はあるが、現時点で鉄道での事例はないという。インバウンド(訪日客)の活用も想定し、利用者の利便性向上を図る。 同社は、交通系ICの検討も進めてきたが、導入や運用にかかる費用に見合う投資効果が得られないと判断し見送ってきた。今回導入する三井住友カード(東京)が提供するシステムは、交通系ICよりもコストが低かった点も決め手となったという。 タッチ決済に対応するクレジットカードだけでなく、カード情報が設定されたスマホでの利用も可能。改札に設置される専用の端末にタッチするだけで改札を通過できる。交通系ICを持たない外国人観光客の利用も視野に入れる。 同社によると、同システムは6月末時点で、全国のバスや鉄道など117事業者が導入している。鉄道利用者が沿線の店舗でカード利用した際の代金割引やクーポン発行などの地域活性化策も検討を進めているという。 県内では遠州鉄道(浜松市中央区)が路線バスに先行導入し、電車でも本年度中に各駅の改札に設備を設置すると公表している。
静岡新聞社