亡くなった河本千奈ちゃん

2022年9月、静岡県牧之原市の認定こども園で、当時3歳の女の子が通園バスに置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった事件の判決公判が7月4日午前開かれ、静岡地方裁判所は元理事長に禁錮1年4か月、元クラス担任に禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡しました。 この事件は、2022年9月、静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」に通っていた河本千奈ちゃん(当時3歳)が、通園バスに置き去りにされ重度の熱中症で亡くなったものです。 当時バスを運転していた元理事長の男(74)は園児をバスから降ろす際、座席の確認を怠って、千奈ちゃんを車内に置き去りにしたなどの過失、千奈ちゃんの元クラス担任の女(48)は千奈ちゃんが登園していないと気付いたにもかかわらず、「欠席」と信じ込み、確認しなかった過失があったとして、千奈ちゃんを死亡させた業務上過失致死の罪に問われていました。 保育現場の安全管理を問う過失事件。今回の裁判では、千奈ちゃんの両親が被害者参加制度を利用して法廷に立ち、「すべてを奪った加害者を絶対に許すことはできません。何をしても、私たちの大切な千奈は戻ってきません」「過去の判例よりも重い実刑判決が両被告に下されることを望みます」と厳しい判決を望み、検察側は、基本的な注意を怠り、最も重い違反を犯したなどとして、元理事長に対して禁錮2年6か月、元クラス担任に対しては、所在確認の責任を果たしていれば回避は可能だったなどとして禁錮1年を求刑していました。 7月4日午前11時から行われた判決公判で、静岡地裁の國井恒志裁判長は、「わずか3歳で未来を絶たれた。苦しみは想像を絶する。バックミラーすら確認しなかったなど、基本的な注意義務を怠り、過失の程度は著しい」などとして、元理事長に禁錮1年4か月の実刑判決、また、元クラス担任には禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決をそれぞれ言い渡しました。