〈ホテル虎ノ門ヒルズ〉に誕生した〈ル・プリスティン東京〉の“没入型ガストロノミー”とは?
2023年12月6日に開業した〈ホテル虎ノ門ヒルズ〉は、2023年最後の“大物ホテル”。ラグジュアリー ライフスタイルホテル〈アンダーズ 東京〉の隣にあり、虎ノ門エリアの重要なピースとして登場した。ホテル自体も注目されているのだけれども、グルメも話題になっている。なぜなら、オランダでミシュランガイド3つ星シェフのセルジオ・ハーマンさんが路面に位置する〈ル・プリスティン東京〉を監修しているから。エグゼクティブシェフを務めるのは、セルジオさんからの信任が厚いデニス・カイパースさんだ。
〈ル・プリスティン東京〉はカフェ&バーとレストランに分かれている。
前者ではカジュアルなバーと居心地のよいカフェエリアで上質な時間を過ごせ、ピッツェッテやデザートを味わえる。後者ではセルジオさんの出身地であるオランダ・ゼーラント地方で厳選された食材を用いたモダンなヨーロッパ料理を堪能できるのだ。“食”、“ファッション”、“デザイン”、“アート”、“音楽”をモチーフにした“没入型ガストロノミー”で、日常を忘れさせてくれる。
4品のディナーコース(1万7000円)で味わえる代表的なメニューをいくつか紹介しよう。 “ハマチ、毛蟹、ピスタチオ、黒大根”は、脂がのったハマチを軽やかなカルパッチョに仕上げ、潮の風味が豊かな毛蟹と合わせた。黒大根はシャキシャキとして小気味よく、木の芽の鮮烈な香りがアクセント。
“サラダ ル・プリティン”は南瓜、グレープフルーツ、タレッジョ、エンダイブ、ヘーゼルナッツと、様々な要素をまとめ上げた定番のサラダ。グレープフルーツの酸味とタレッジョの塩味がよいコントラストで、南瓜のぼくとつな甘味とヘーゼルナッツの香ばしさが印象に残る。
セルジオさんの故郷であるオランダ・ゼーラント地方は海に面していて魚介類が豊富ということから、“オレキエッテ ゼーラント風”はラングスティーヌ、ムール貝、アサリなど魚介類をたっぷりと用いたパスタ料理になっている。“耳たぶ”を意味する“オレキエッテ”は、もちもちとしていて、クセになる食感。ほんのりスパイシーで旨味たっぷりのソースとの相性も抜群で、ナスタチウムの緑がワンポイント。2人前のボリュームになっているから、仲よく取り分けるといい。