山口県宇部市の理想形は9年制「義務教育学校」…児童・生徒数が減少、市街地の小中学校から適正化計画
山口県宇部市教育委員会は、児童・生徒数の減少が続く見通しを踏まえ、市立小中学校の「適正規模・適正配置計画」を策定した。2033年度までの計画期間中、一部地域では保護者や地域住民らと協議した上で同市初となる小中一貫校を開設する計画。小中学校を統合した9年制の「義務教育学校」の開校を「理想形」と位置づけ、小中一貫教育を推進する方針を盛り込んだ。 【写真】適正規模・適正配置計画について説明する野口教育長
市教委によると、市内の児童・生徒数は1983年の2万4343人をピークに減少が続き、2029年には1万176人にまで減ると見込まれている。計画では「安心・安全に過ごせる最適な教育環境」を確保するため、子どもたちの社会性を育むことができる規模で、校区内の中心に位置する一つの敷地内に義務教育学校を置くことを理想としている。
学校配置の基準となる通学距離については、小学校が4キロ以内、中学校が6キロ以内で、いずれも通学時間を1時間以内とした。その上で、半径4キロ内に複数の学校が集中し、学校施設の老朽化が進んでいる市街地の小中学校から優先的に適正化を進める方針を明記した。
具体的には、33年度に藤山中、藤山小、鵜ノ島小の3校を統合した学校を開校する。また、同年度には神原中、神原小、琴芝小、見初小の4校を統合した学校の建設に着手する方針。
2日に記者会見を開いた野口政吾教育長は「一つの校舎、一つの敷地の中で小中学校の子どもたちが9年間学べる学校を作っていきたい」と語った。