65歳になりましたが「年金」が振り込まれません。なぜですか?
「年金がいつになっても振り込まれない! どうしてだろう?」といった疑問を抱えた方から、ときどき相談を受けます。そこで、今回は65歳になっただけでは年金が振り込まれない理由と、年金を受け取る手続きについて解説します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
年金は自動で受け取れない
そもそも年金とは、65歳になったら自動で受け取れるものではありません。「原則として、65歳から受け取ることが可能になる」ということであって、単に65歳から支給開始されるものではありません。 年金を受け取るのに必要なのは、「年金請求書」を提出することです。この年金請求書は、年金を受け取ることのできる年齢に達する3ヶ月ほど前に送付されます。それを年金事務所へ、指定された添付書類とともに提出することで、手続きが完了します。 なお、近年は電子申請の形で手続きをすることもできます。日本年金機構によれば、年金の未加入期間がないなど一定条件を満たしていて、電子申請による手続きを利用できる方には、電子申請に関する案内が年金請求書とともに送付されてくるため、詳細についてはそちらを確認してください。 参考までに、年金請求書の提出から実際に年金が支給されるまでの期間は、3ヶ月から4ヶ月ほどかかることが一般的です。すぐに受け取れるものではないことも、併せて覚えておきましょう。
要件を満たしていない可能性
そもそも年金請求書が送られてこない場合、年金を受け取るための要件を満たしていない場合があります。 老齢基礎年金の場合、「受給資格期間」が10年以上なくては、受給することができません。受給資格期間とは、簡単にいえば保険料を納めたり、納付を猶予・免除されていたりした期間の合計です。過去に未納期間などがある場合は要注意です。 また、会社員などが受け取ることのできる老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格を満たしていることが、受給要件とされています。そのため、老齢基礎年金を受け取れない場合は、老齢厚生年金も受け取れないことにもなります。 なお、受給要件を満たしているにもかかわらず、年金請求書が届かない場合は、最寄りの年金事務所へ相談してみてください。手続きミスなどにより、年金請求書が届いていない可能性も考えられます。