中欧スロバキアのフィツォ首相、銃撃される 「生命を脅かす状態」に
中欧スロバキアのフィツォ首相が15日午後、同国中部ハンドロバで開かれた政府の会合に出席後、銃撃された。フィツォ氏のフェイスブックの公式ページによると、ヘリコプターで病院に搬送され、「生命を脅かす状態にある」という。発砲したとみられる人物はその場で拘束された。 【写真】ベルリンで2024年1月、会見を開いたスロバキアのフィツォ首相=ロイター フィツォ氏は会合に出席後、会場の外に集まった地元住民らのもとに駆け寄ったところ、数回にわたって撃たれたという。AP通信などは関係者の話として、銃声は3、4回あり、1発が腹部に当たったと伝えている。他に負傷者は確認されていないという。 地元メディアによると、拘束されたのは71歳の男で、合法的に所持していた銃を使ったとみられる。 ロイター通信によると、同国内務省の報道官は今回の銃撃事件について、「フィツォ氏に対する暗殺未遂事件」との見方を示した。 4月の選挙で勝利したペレグリニ次期大統領は「スロバキアの民主主義にとって前例のない脅威」と非難。「政治的に異なる意見であっても、民主的、合法的に表明する方法はたくさんある。一日も早い回復を祈っている」とコメントした。 フィツォ氏が率いる左派政党は昨年9月の総選挙で第1党になり、新連立政権を発足。2018年以来、5年ぶりに首相に就任していた。(ブリュッセル=牛尾梓)
朝日新聞社