何度叱っても「失敗を繰り返す子ども」に効果的な注意の仕方とは?
子どもはどうしても正しくない行動をとったり、失敗を繰り返してしまうことがあります。何度注意しても改善しない様子に、イライラを抱えている親御さんも多いでしょう。しかし、そんな時こそ頭ごなしに叱らず、対話することが重要だと児童精神科医の精神科医さわさんは語ります。 【マンガ】「集中力が高い子ほど、乳幼児期に体験している「フロー状態」とは? ※本稿は、精神科医さわ著『児童精神科医が「子育てが不安なお母さん」に伝えたい 子どもが本当に思っていること 』(日本実業出版社)から一部抜粋・編集したものです。
子どもが「できないこと」ではなく「できていること」に注目しよう
「子どものしつけは親の役目」と思うあまり、わが子につい口うるさく言ってしまうお母さんは少なくありません。ただし、子どもに対して何度も同じことを注意するのは、逆効果です。 何度注意しても子どもがその行動をやめなければ、親御さんもイライラしてしまいますよね。そんなときは、「親がしてほしい行為に注目する」「親のタイミングではなく、子どものタイミングを見て話をする」の2つを意識することが効果的です。 ひとつ目の「親がしてほしい行為に注目する」は、とくに小学生くらいまでの子ども向けになりますが、子どもが小さいころというのは、注意すればするほどその行動が増えることがあります。 子どもは、親から注意されるような行為でも、注目されるとそれは自分に反応してもらえることだととらえて、親から注意されるような行為をむしろ繰り返してしまうことがあるのです。 ですから、その反対に親御さんがしてほしい行為に注目して声をかけると、子どもはその行動をするようになります。つまり、子どもができていないことではなく、「できていること」を見つけるのです。 たとえば、診察室で「うちの子は食事のときにすぐ立ってしまうんです」と訴えるお母さんには、「お子さんが座っているときに注目して、ほめてあげてください」と言っています。それがたとえ10秒しかできていなくても、ほかの時間は歩き回っていたとしても、その10秒を見つけて、すかさずほめるのです。 2つ目の「親のタイミングではなく、子どものタイミングを見て話をする」というのは、親が言いたいときに注意をするのではなく、子どもが耳を傾けそうなタイミングで声をかけるということです。 たとえば、子どもがゲームに夢中になっているときには、「部屋を片づけて」と言われても子どもは聞きませんよね。もしも子どもに部屋を片づけてほしいなら、子どもがゲームをはじめる前に、「部屋を片づけてからゲームをしたら、気持ちよく遊べるんじゃない?」と声をかけるのもいいでしょう。 片づけることで、あなたはこういう状態になれるというメリットを伝えてあげると、子どもの行動が変わる可能性があります。 また、子どもと目が合ったときに言うとか、「お母さんが話したいことあるから、ゲームのキリがいいところでちょっと手を止めてくれるとうれしいな」などと言って、子どもが手を止めて、子どもが話を聞く態勢になってから目を合わせて言うなど、子どもが耳を傾けるタイミングをつくるのも大事です。 子どもに同じことを何度も言うのは、子どもだけでなく親もいやな気持ちになります。それよりも、子どもの気持ちに寄り添った伝え方をすることで、お互い気分がいいなら、そのほうがよくありませんか。